ビジネスマンになったら、
30秒ぐらいで用件を伝えられないようでは、
やっていけない
「5分あるのだったら、自己紹介と、志望動機を半々でやるとして、それでも、2分半ずつ、字数にして、それぞれ750字は言えるはずではないのですか」
と言う。750字というのは、最低これだけ言えるという字数ではなくて、もうこれ以上は言えないという上限なのだ。
上限で練習してしまうと、ちょっと合いの手を入れられたり、話を突っ込まれたり、言い換えたりしただけで、すぐオーバーしてしまう。
オーバーしてしまったことで、尻切れトンボに終わってしまうのである。
「家でやったときは言えたので、もう一度、最初からやらせてください」
とは言えないのだ。30秒で言えないことは、必ず失敗する。
言い換えれば、30秒で伝わらないことは、いくら言ったって伝わらない、ということだ。
「30秒で練習したのはいいけど、それより時間が余ったら、何を言えばいいか困るのではないですか」
と君は心配するかもしれない。でもその心配は要らない。30秒を1分にしたり、2分にしたり、5分にしたり、10分にしたりすることは簡単にできるのだ。
でも逆はできないのだ。面接の現場で、時間をいったい何分与えられるか予測できない。5分の話を準備していって、3分にするのは、プロのアナウンサーでも難しいのだ。
それは、紙の上で、推敲しながらでも難しい。やってみればわかる。
「30秒なんかで言いたいことを言えるわけがないじゃないですか」
という人の志望を聞いてみると、「CMプランナー志望」だったりする。
CMは、30秒どころか、15秒で言いたいことを伝えなければならないのに、30秒で言えないようでは、その時点で失格だ。
「私はCMプランナーやコピーライター志望ではないから関係ない」
というのは言い訳にはならない。
ビジネスマンになったら、あらゆるビジネスの現場で、30秒ぐらいで用件を伝えられないようでは、やっていけないのだ。
だから、時間が余ったらどうするかと心配なら、とりあえず30秒用のバージョンを作ってから、1分用、2分用、3分用を作ればいい。もちろん、まず書いてみてだ。