――働く環境がよければ、結果を出しやすい環境であるとは思います。ただし、すべての組織が同じではなく、たとえ条件が悪くても、成果を出していかなければなりません。おふたりは、成果を出すために、心がけていることはありますか?

岡田 やはり、仕事を小さくしていくことですね。3分単位で刻んでいくことです。そうすれば、必然的に小さくなります。

 まずは、仕事の全体像を見ます。必要に応じて、レバレッジをかける。つまり、「自分の仕事にまわりを巻き込んでいくこと」です。こう言うと、「日本の組織だとうまくいかない」という意見が出ます。ここは戦略的に、いい意味でまわりに「貸し」をつくっていきます。

 また、仕事を小さくして、先に進めるにあたって、レスポンスを速くします。私は「相手を待たせる」=「相手のコストと時間をムダにしている」と考えているので、すぐに返すようにしています。

 さらに、多くの仕事をこなすためにも、自分がやらないほうがうまく回る場合は、できる人を巻き込んでいきます。海外で仕事をして学んだことは、仕事の目的はより優れた成果を出すことです。このために、自分よりも他の方がやるほうが優れた成果を生み出せる場合は、他人を巻き込み、他人の知見を活かして仕事を進めるようにしています。

ビジネスで不可欠な「スピード」と「成果」は、こうして手に入れる

――それは、自分が仕事を小さくするどころか、大きくしすぎているということでしょうか?

岡田 特に若い人たちに多いのですが、大きくしすぎている傾向はありますね。典型的なのは、「メール」です。若手ほど、長く書きます。おそらく、短く書きすぎると仕事をしていないと思っているのでしょう。成果を大きくみせないといけないとか、そう思っているのかも。

 ただ、相手の時間を奪うのはよくないので、私が日報を上司やチームに書く場合は、相手にとって5分以内で読めるようにしています。シンプル=最も力強くパワフルなメッセージとなります。基本は結論だけでいいんです。

 自信がないと、つい大きく書いてしまいます。部下がいる人にはぜひ伝えてあげてほしいのです。「長く書かなくていい」と。仕事は、「Noted(理解した)」「Agreed(了解しました」でじゅうぶんです。いちいち名前を書かないし、そのほうが早く終わる。組織でルール化してあげると、時間は短縮できます。