タモリはこうやって
会話の土台をひっくり返す!

 この「会話の土台からひっくり返す」という方法が上手なのがタモリさんです。

 例えば、若手芸人がタモリさんの前で、一生懸命トークをしていたとします。そのトークがウケていればタモリさんは、ひたすら話を聞いています。しかし、それがイマイチだった時、タモリさんは若手芸人の服をつまみながら「それにしても何なの?この服の柄。こっちが気になって話が入ってこないよ」とか言葉をはさんで、会話の土台をひっくり返してしまいます。

 そういうアシストによって、スベリそうになる話もタモリさんの前では土台が崩されて別の話題に切り替わります。だから、タモリさんの番組は生放送でも、スベった瞬間の重い空気を視聴者は体験することがなく、とても安定感があるのです。

 タモリさんのようなトーク術は練習で身につきます。ここからはハリウッドで生まれ、発達した即興会話術をまとめた『1秒で気のきいた一言が出るハリウッド流すごい会話術』の中から、この空気を変える会話術の練習方法でもある「空気変えゲーム」を紹介します。

 このゲームは2人で行います。1人は怒っていたり、悲しんでいたりというネガティブな感情で会話して下さい。そして、もう1人は、そのネガティブな話題の土台を崩す一言を言ってみましょう。もし、クスっと相手が笑うようなことが言えたら最高ですが、話題がスムーズに変えられれば十分です。ゲームといわず、仲間と飲んでいる時でも、仲間が愚痴とか言い出したら話題をひっくり返してみて、効果を試してみましょう。

 この「会話の土台からひっくり返す」という術の注意点をお伝えします。それは、あまりにも場違いな時には使わないという事です。例えば、あなたの不倫が原因で離婚するかしないかを親戚を交えて話し合っていたとします。そしたら、奥さんが、ついに泣き出してしまい、もう耐え難い空気になってしまったとします。だからといって、ハンカチを握った奥さんの腕を指差し、「あれ?毛の処理を忘れてない?」と言ったら、どうでしょうか。話し合いでますます不利になるばかりです。
 話題を変えたいほどの重い空気だったとしても、明らかに自分に非があったり、重すぎる話題の土台は、決して崩さないように注意して下さい。