ゲームは決して低俗なものではない!
ゲームの概念を覆した『ポートピア連続殺人事件』
ゲームというと、昔から「低俗なもの」という烙印を押されてきました。
もっとも、これは新しい娯楽が生まれるたびに繰り返されてきた議論にすぎないと私は思っています。
ラジオが誕生したときには、「本よりも低俗なもの」と知識人から酷評されたそうです。同様に、テレビが誕生すれば「ラジオより低俗」、インターネットが誕生すれば「テレビより低俗」と言われたわけですが、では現在、テレビとインターネット、どちらが「より低俗なもの」なのでしょうか。
これはテレビの放送番組の種類や質、インターネットの具体的にどのサイトを指すのかで評価は変わりますので一概には言えませんが、もはやインターネットは、私たちの生活の一部になっていることだけは歴然たる事実です。
さて、その「低俗な」ゲームですが、私は友人に勧められて、あるゲームをプレイしたときに、「ゲームはゆくゆく、最高のエンターテイメントになるのでは」と思ったことを今でも記憶しています。
それは『ポートピア連続殺人事件』というゲームでした。
それまでのゲームといえば、シューティングゲームやカーレースなどの得点を競うものばかりでしたが、『ポートピア連続殺人事件』は、きちんとしたストーリーがあり、しかもプレイする自分が主役で、「ヤス」という相棒に命じることで、自分自身が「事件の捜査」という物語の一部になれます。
当時、私は大学生でしたが、極めて強烈な娯楽体験でした。