外貨預金は、短期的な売買ではないという意味ではパッシブではありますが、特定の外国通貨で預金しているので、平均狙いによるリスク分散はできません。FXと同じような相当の為替リスクが残ります。通常の国内預金と比べれば利回りは高いかもしれませんが、あくまで預金なので投資とも呼べる水準ではありません。預金というと安全そうな印象を抱いてしまいますが、為替リスクと手数料のせいで元本割れの可能性はつねにあります。
外貨以外で根強い人気があるのが、不動産投資でしょう。マンションや戸建のオーナーになり、それを他人に貸し出すことで賃貸収入を得るという方法です。また、不動産の価格が購入時よりも高くなれば、転売することで利益(キャピタルゲイン)を得ることもできます。これは長期的な利回りを前提としていますから、立派な投資だと言えるでしょう。
ただし、不動産投資の場合は、立地条件や収益率を見抜く力、空室や家賃滞納、修繕・管理にかかるコストをコントロールする能力など、一定の知識・ノウハウが必要になります。また、特定の物件を選んでの投資なのでリスク分散はありませんし、ほかの投資と比べると投資金額の単位が莫大になるので、むしろ一極集中のリスキーな状況になりがちです。
また、投資用不動産の購入には融資が通りやすく、レバレッジが掛けやすいことがもてはやされたりもしますが、逆に言えば、大きな借金を抱えたハイリスク・ハイリターンの状態になるわけですから、資産価値が暴落したり、空室が続いたりすれば、直ちに悲惨な事態になります。
「現物があるから安心」というロジックも怪しく、これは現物があるからこそリスキーとも考えられます。地震・火災などの災害、建物内での事件や住人トラブルといった不可抗力のリスクは、通常の金融商品ではまずありません。