日本語でも悩むメールがスラスラ書ける!総合商社で磨き抜かれた「生きた英語」とは?
「値下げ要求をスマートに断りたい」「代金の未払いをやんわりと伝えたい」「商品をさりげなく売り込みたい」。あなたならどう書きますか?
三井物産の商社マンとして、約40年間、第一線で活躍し、退職後は慶應義塾大学、早稲田大学のビジネススクールで教鞭をとる定森氏の新刊、『人を動かす英文ビジネスEメールの書き方ー信頼と尊敬を勝ちとる「プロの気くばり」』から、内容の一部を特別公開する。

日本人が使いがちな「英語の冗長表現」とは?

語数を少なく、簡潔に!

 英語では、語数が多い冗長なイディオムより、シンプルで「筋肉質」の言葉を選ぶことが鉄則です。

 英文メールにおいては、重要なメッセージが、スクロールしなくてもパソコン画面におさまるようにすることが、忙しい読み手に対するプロの配慮です。

 どうしても長いメールを送信しなければならない場合は、表題の後かメッセージの冒頭に“long” “important”のような注記を入れるか、読みやすくアレンジした添付ファイルを利用するほうが、相手の興味と関心を高めるのに有効です。

 さて、日本人がビジネスシーンで使いがちな冗長な表現をご紹介します。下記のように、名詞句は動詞にしましょう。

(避ける)
× the avoidance of
○ avoid

(明確に説明する)
× the clarification of
○ clarify

(手配する)
× the arrangement of
○ arrange

(完成させる)
× the completion of
○ complete

(失敗する)
× the failure of
○ fail

(実行する)
× the implementation of
○ implement

(改善する)
× the improvement of
○ improve

 さらに、動詞の名詞句以外にも、冗長なイディオムを避け、シンプルに表現するだけでいっそう伝わります。

(十分な)
× a sufficient number of
○ enough

(ほとんど)
× a little less than
○ almost

(および)
× as well as
○ and

(早く)
× at an early date
○ soon

(~なので)
× due to the fact that
○ because

(連絡をとる)
× make a contact with
○ contact

(~以外に)
× with the exception of
○ except

 1語でも少なくすることに本質的な意味があるわけではありませんが、読み手に与えるインパクトは高まります。

参考記事:ネイティブにイエスと言わせる「商社の英語」、日本人の「気くばり」が、武器になる。