本気で何かをしようと思えば
どうにでもなる

本田圭佑選手の元専属分析官が、42歳の今も自分に課している1つのルール白石尚久(しらいし・たかひさ)
サッカー指導者
1975年香川県生まれ。高校3年生で本格的にサッカーを始め、明治大学在学中にアルゼンチンに渡りサッカーを学ぶ。大学卒業後、フランスなどでプレーし、27歳で現役を引退。帰国後、大手広告代理店に入社。同時に海外のトップクラブでサッカーのコーチングを学ぶ。2008年からFCバルセロナ(スペイン)のスクールコーチに就任。2010~2012年までバルセロナにあるCEサン・ガブリエルで男子U15コーチ、U12監督。同クラブで2012~2013年スペイン女子1部リーグの監督を務める。女子の指導経験はなく、監督デビューがいきなりの1部リーグ。アジア人としては初めて女子、男子を含めヨーロッパ内1部リーグのチーム監督となる。2015年からスペインリーグ4部のCEエウロパでアシスタントコーチ、監督を務めた。2017年3月より、ACミラン、CFパチューカ所属の本田圭佑選手専属分析官。2018年7月よりオランダの1部リーグ・SBVエクセルシオールでアシスタントコーチ/テクノロジーストラテジストとしてのキャリアをスタートさせた。英語、フランス語、スペイン語、日本語の4ヵ国語を操る。

少し厳しい言い方をしてしまえば、それは自分で自分を言いくるめているだけ。もっと言えば、やらないことを「何かのせいにしている」だけなのだと思う。

そうしたくなる気持ちはわかる。

だが、やらない理由のほとんどは、
ただ放っておいても解決されることではない。

でも、考えようによっては、「本気で何とかしようと思えば、どうにでもなること」なのだ。それでもやらない理由にこだわるのは、失敗することを恐れている、それだけだ。

僕は元来、「こうしたい」と思い立ったら、とにかくトライしなければ気が済まない性格だ。40歳を過ぎて、チームメンバーにアジア人は僕1人だけという、厳しい環境に飛び込むなんて信じがたいと思う人もいるだろう。

しかし、僕には夢がある。
サッカーの指導者として、世界一になること。

だから、サッカーの世界で生きると決めたら、
そこからは「どうすればできるか」しか考えなかった。

どうせトライしてしまうのだから、やらない理由を考えたところで無駄なだけだ。

大学在学中に単身アルゼンチンに渡ったときも、頭にあったのは「行く理由」だけ。「行かない理由、行かない言い訳」など考えもしなかった。

もちろん、その分だけ失敗もした。挫折もしたし、傷ついて心が折れそうにもなった。決して順風満帆ではない。

でも、やれば失敗もするだろうが、やらなければ成功もしない。 行動した結果の失敗を後悔するよりも、行動しなかった自分自身を後悔するほうが、僕には耐えられないことなのだ。

行動を起こそうと思っても最初の一歩、新しい一歩がなかなか踏み出せない人へ。

やめる理由より、自分がそれをやる理由、がんばる理由を考えてみてはどうだろう。

言い訳よりも自身の可能性を探してみてはどうだろう。

そして可能性の先にある未来の自分を想像して、心を躍らせてみてはどうだろう。

きっと勇気が湧いてくるはずだ。