2018ワールドカップが終わって、今夏よりオーストラリア1部リーグ、メルボルン・ビクトリーに移籍したサッカー日本代表・本田圭佑選手氏。東京オリンピックという新たな目標に向けての一歩を踏み出した本田氏に、世界中の人々が注目と期待を寄せている。

そんな本田圭佑選手の専属分析官(アナリスト)として、先月まで本田氏と行動をともにし、彼個人の、”戦術参謀”的な役割を担う男がいた。白石尚久(たかひさ)氏である。

現在は、本田氏とは別の道を進み、オランダの1部リーグ・SBVエクセルシオールで、アシスタントコーチ/テクノロジーストラテジストとして、新たなキャリアをスタートさせた。
チームのなかで、アジア人は白石氏しかいない。

世界で活躍するサッカー指導者である白石氏だが、
そのサッカー・キャリアのスタートは18歳と、驚くほど遅い。

部活動未経験で、大学の体育会サッカー部にさえ入れなかった彼は、
18歳で単身アルゼンチンに渡り、育成選手からコツコツとキャリアを積み上げていく。

そして、36歳の時にアジア人で初めて欧州1部リーグの監督(スペイン女子)に就任。
41歳でACミラン、パチューカ所属の本田圭佑選手(日本代表)の専属分析官になった。

このような異色のキャリアを持つ白石氏が、現在も自分に課している1つのルールがある。
それは何か。
本記事では、初の著書である『何かをやるのに遅いということは決してない。』から、内容の一部を再編集し特別公開する。(まとめ/編集部)

本田圭佑選手の元専属分析官が、<br />42歳の今も自分に課している1つのルール<br />SBVエクセルシオールのサイト(2018/6/29)より。「本田圭佑選手の専属分析官だった人」として白石尚久氏を紹介している。 https://sbvexcelsior.nl/takahisa-shiraishi-toegevoegd-aan-staf-van-excelsior/

やらない理由はいくらでも出てくる。
だからやる理由を必死で考える

僕には毎日の生活のなかで自分に課しているルールがある。

それは言い訳、とくに「やらないことの言い訳」をしないということ。

言い方を変えれば「都合よく自己正当化しない」ことだ。

やりたいことがよくわからないと悩んでいる人のなかには、
本当は「やりたいこと」があるのに、それを「やらない」「やってみない」という人も多いと思う。

例えば、「会社をやめて、今の仕事で独立したい」という目標がある。
独立しようと思えばできるだけのキャリアや実績はあるけれど、
現在はまだ実現に至っていないという場合。こういうとき、人はだいたい次の2とおりに分かれる。

ひとつは、「独立できる方法」を考える人。
そしてもうひとつは「独立できない理由」を探そうとする人だ。

どちらが行動に移せて、どちらが目標を実現できるかは言うまでもない。

やりたいことがあるのに行動に移せない人、
いざとなると二の足を踏んでしまう人はみんな、
「やらない理由」という名の言い訳を見つけようとする。

「こんな不景気ではちょっと――」
「ほかにもいろいろお金がかかって――」
「この年齢で独立なんて難しいかなと――」
「税金のこととかわからないし――」
「家族を養わなきゃいけないし――」
「事務所を構えるいい物件が見つからなくて――」
「同じ業種で独立して成功している人が少ないから――」

こんな具合に、やらない理由など、探せばいくらでも出てくる。

やりたいのはやまやまだけど、こういう事情だからやらないのは仕方がない
――やらない理由を言い立てる人の考え方はだいたいこんな感じだと思う。

その気持ちはわかる。だが、もったいないと思うのだ。