高いといわれたら、
「更正決定してください」

「役員報酬をもっと増やしたらどうですか?」と社長に提案すると、次のようにおっしゃいます。

「これ以上もらっても、税金をとられるだけだから」

 確かに、個人の役員報酬の所得税は、最高税率が45%と約半分が税金で持っていかれます。おまけに、役員報酬を増やせば、健康保険や厚生年金といった社会保険料も高くなります。

 役員報酬をせっかく引き上げても、思うように手取り額は増えないのです。

 このときに、日当を活用すれば、手取り額を増やすことができます。とくに、出張が多い経営者は、日当を多くすることで、メリットがより大きくなります。

 では、具体的にいくらくらいが妥当なのでしょうか?

 私の知る限り、経営者(会長、社長)の日当としては、高い方で4万円もらっています。

「じゃあ、うちも4万円にしよう」と顧問税理士に伝えると、「高すぎます」と反対されます。顧問税理士は次のようにいいます。

「公表データでは、社長の平均は1万円ですので、その範囲内にしてください」

 しかし、それはあくまでも平均額です。そもそも日当とは、肉体的、精神的な負担を慰労するための対価です。例えば、次のようなことが考えられます。

 ・高齢者になれば、マッサージなど体のメンテナンスにお金がかかる
 ・女性であれば、護衛をつけることがあるかもしれない
 ・ハイクラスのホテルなら、チップを渡す場合もある

 経営者は、ポケットマネーからお金を出す場面が多いのです。とくに、多忙な経営者であれば、心身を労わるためのお金がたくさん必要になります。