名前を聞いた瞬間におなじみの会社という印象を受けるが、フォーチュン500に入ったのは比較的最近のことだ。いきなりリストの上位に躍り出てきたが、行方不明になりそうな兆しはない。
これらの企業は、そもそも自分たちを製造や販売の会社と考えたことがないので、変身する必要がなかった。最初から、デジタルを媒介として顧客と直接の関係を構築することに集中していた。昔からのエスタブリッシュ企業は彼らの動きに注目し、彼らから学び取ろうとしている。
ここで、知らない人はいない大企業ディズニーを見てみよう。CEOのロバート・アイガーが最近こんなことを言っている。
「ディズニー、ABC、ESPN、ピクサー、マーベル、『スター・ウォーズ』とルーカスフィルムを所有するのは、たしかに幸運なことだが、今日の世界では、それらを所有していても顧客へのアクセスがなければ何の保証にもならない」
現在ディズニーは、テーマパークへの来園者を別にすれば、個々の顧客からカスタマー・インサイトを得る手段をあまり持っていない。ウォルマート(Walmart)で「千と千尋の神隠し」の人形を購入した人はウォルマートの顧客であって、ディズニーの顧客ではない。AMCシアターで「スター・ウォーズ」を観た人は、ディズニーの顧客ではなくAMCシアターの顧客だ。
ディズニーには、これはすぐにでも変えなくてはならない状況だという認識がある。
ウーバー、スポティファイなど注目の新顔
最後に、注目の新顔を見ておこう。まもなくフォーチュン500のトップに立つかもしれない新たな破壊者たち、ウーバー(Uber)〔自動車配車〕、スポティファイ(Spotify)〔音楽のストリーミング配信〕、ボックス(Box)〔デジタルストレージ〕などだ。
登場するなり、彼らは他社を嵐の渦に巻き込んだ。製品を売ることなど端から考えていない。まったく新しい市場、新しいサービス、新しいビジネスモデル、新しいテクノロジー・プラットフォームを考案し、並み居る既存企業を置き去りにした。
消費者はこれらのブランドを好み、サービスを好み、製品単体が提供できるものをはるかに超える価値をこれらの企業から受け取っている。