性別や住む場所で
コンテンツの好みは決まらない

――サブスクリプション型のビジネスでは、顧客とのエンゲージメントを高めることが何よりも重要だとされています。ネットフリックスでは、エンゲージメントを高めるために具体的にどのような施策をしているのでしょうか。

 技術的な話とコンテンツの話の2つがあります。コンテンツについては先ほども言いましたが、ライブラリをとにかく充実させることです。

ネットフリックス
ネットフリックスは、ユーザーの視聴パターンを分析し、ユーザーそれぞれの「あなたにイチオシ!」を表示する

 技術的な話でいうと、パーソナライゼーションと呼んでいるものです。例えばあなたの視聴パターンを分析して、ネットフリックスの全視聴パターンから次にあなたが見たいと思う作品をレコメンデーションします。ネットフリックスではこの機能が充実しています。

 私たちのサービスでは、視聴者には個人情報をほとんど聞かないんですよ。名前は伺いますが、性別、年齢、居住地など、全く聞きません。1アカウントだいたい3人くらいでシェアすることが多いので、私たちには3億人の視聴パターンのデータがあります。これがレコメンデーションを充実させるわけです。今では75%のユーザーが、レコメンデーションされた作品から次に観る作品を選ぶまでになりました。機械学習によって、この精度を高めようとしています。

 2010年代の前半までは、性別などを聞いていました。ですが、技術が発達していくと、それを聞いても、無駄だろうということになった。役に立たないから聞くだけ無駄ということです。性別や住む場所で、その人の好むコンテンツが変わるというのはないということもわかってきていました。ユーザーのニーズを知ることができる技術があるんだからそれでいいだろうと。聞く必要ないのだから、聞かない。