本連載で紹介してきたタレントのトークやできる営業マンの会話術の土台になるのが、「インプロ」というスキルです。日本語で最適な訳として、「即応力」と呼んできました。即応力は単なるトークテクニックではない、人生を豊かにして、あなたを一流にするスキルです。今回は、『1秒で気のきいた一言が出るハリウッド流すごい会話術』の中から、そのスキルについて、その意義を説明し、同時に身に着け方を紹介します。
トップ営業マンや人気教師は、
即応力が高い人たちだった!
この連載では、会話のテンポをコントロールし、会話にすばやく反応する能力である「即応力」と書いてきました。
それを説明するために、今までは即応力の高いタレントのトークなどを分析してきました。しかし、今回は、それが、どれだけ一般の人の人生において重要かを理解していただきたいと思います。
まず、あなたの身近にいる一流の人に注目してみてください。例えば、身近にも、営業でトップ成績の人などがいると思います。そういう人って、テンションの高い低い、声の大小などは、人によって様々ですよね。しかし、即応力に注目すると、ほぼ、全ての人が高いはずです。例えば、怒ったお客さんが会社にやって来て、マニュアルに無いような不平・不満を言いだしたとします。
そういう時に、トップの営業マンが困った顔をして、口ごもってしまうでしょうか。決して、そんな事は無いはずです。水を得た魚のようにというのは大げさかもしれませんが、そのお客さんの難題に即興で対応できるはずです。それは、即応力が高くなければ、決して出来ない芸当です。
あるいは、学生時代に出会った、一流と感じる先生を思い出して下さい。そういう先生は、必ず生徒の話をよく聞いた上で、瞬間的に何らかの言葉を返す事が出来る人だったのではないでしょうか。一方で、生徒が深刻な相談をしているのに、マニュアル的な返答だったり、ウヤムヤに流してしまったりするような先生は人気が無かったはずです。
こうやって考えると分かると思いますが、自分の周りにいる身近な人でも、成功していたり、人気者だったりする人は、即応力の高い人が非常に多いのです。
「トークは才能やセンスではない」
との認識からスタートしよう
それにも関わらず、多くの人は、彼らの成功の秘訣である即応力を身に着けようとしません。その理由は、即応力は生まれつきの才能であり、後から身につけることが出来ないか、圧倒的に難しいと思っているからです。
しかし、そんな事はありません。自分自身の人生を振り返ってみて下さい。何であれ、学生の頃などにアルバイトを初めてした日に、お客さんとの会話がシドロモドロだった人も大勢いるはずです。しかし、半年もすると、自然にお客さんと会話が出来ていたはずです。
そうです。トークというのは才能やセンスというより、慣れの問題が多いのです。同様に即応力も訓練で必ず身につくものなのです。
ですから、どんな職業でも、どんな生活をしていようとも、人生で1度は即応力について真面目に考えてみましょう。そうすれば、それがキッカケで、あなたも一流と周りから思われる人間になれる可能性が高まります。