いま、遺言や相続で悩んでいる人が増えている。人それぞれ、いろいろな問題を抱えている中で、遺言があった場合となかった場合では、大きな違いが生じることがある。ユニークな遺言の書き方を提唱する『90分で遺言書』の著者・塩原匡浩氏に、これからの遺言の動向を聞く。

来年から
遺言制度が大きく変わる

 気づけば街はすっかり師走の色に染まりつつあります。1年は本当に早いものですね。30年間、慣れ親しんできた平成の元号とも、いよいよお別れのときが近づいてきました。それに合わせるかのように、遺言制度も新しく生まれ変わろうとしています。

 2018年11月21日に、第196回通常国会で成立した「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」(平成30年法律第72号)と「法務局における遺言書の保管等に関する法律」(平成30年法律第73号)について、施行期日を定める政令が公布されました。

 この改正民法は2019年1月から段階的に施行されます。「遺言」部分を中心に、現時点でわかる範囲で、改正相続法関係の施行期日について見ていきましょう。

 2019年1月13日から、自筆証書遺言の方式が緩和されるようになります。日本の超高齢化の進展に対して、遺言の利用を促進し、相続をめぐる紛争を防止するといった観点から、政府は自筆証書遺言の方式緩和に踏み切りました。

 これまで自筆証書遺言は、添付する財産目録も含めて、全文を自分で書く必要がありました。法的要件として、銀行の口座番号も、不動産の住所や地番も、一字一句間違わぬように記載することが求められていたため、遺言者の負担が重く、自筆証書遺言が敬遠されることがあったのです。

 その遺言者の負担を軽減するため、遺言書に添付する相続財産目録については、パソコンで作成したものや、不動産の登記事項証明書のコピー、固定資産税の納税通知書のコピー、預貯金通帳や残高証明書のコピーなどでもよくなります。