いつも変わらない笑顔、感じのよい挨拶を徹底する

 次に行動における改善です。

 あなたがお客さまの立場でどこかのお店に入ったとき「歓迎されている」「感じがいいなあ」と心地よく思ったときと、「なんだか感じが悪いな」と思ったときの違いはどこにありましたか?

 その差は、ほんの些細なことだったのではないでしょうか。

 笑顔であったり、作業の手を止めて向けてくれる優しい視線であったり、さわやかな挨拶ではなかったですか?

 当然のこと、絶対に手元から目を離してはいけないときにまで、このようなことをするべきだとは言いません。

 ですが、可能な限りこれらを徹底し続けてほしいと思います。この積み重ねこそが、お客さまがすべてのスタッフから歓迎されていると安心されることなのです。

 考えてもみてください。そのお店を利用しているにもかかわらず、担当以外のスタッフはニコリともしない、挨拶もしない……。そのほうが不自然であるとさえ思えてきませんか?

 担当以外のお客さまを大切にして悪いことなど何ひとつありません。

 むしろ担当以外のスタッフからも大切に扱われることは、その店への信頼に繋がります。

 大げさな歓迎セレモニーなど必要ないのです。

 どのスタッフからも向けられるいつも変わらない笑顔や感じのよい挨拶、このようなことの徹底こそが、揺るぎない安心感と信頼感を与える秘訣です。

【今回のポイント】
 担当ではないお客さまも「大切なお客さまである」という意識を持ち、
 いつも変わらない笑顔、挨拶、アイコンタクトを心がけよう。

七條千恵美(しちじょう・ちえみ)
株式会社GLITTER STAGE 代表取締役
1973年京都府出身。同志社大学卒業後、日本航空に入社。
お客さまから多くの賞賛をいただき、さらに際立った影響力を持つ客室乗務員として「Dream Skyward優秀賞」を受賞。取締役から表彰を受ける。また、TOP VIPフライトの中でも最上級ハンドリングのフライトであった皇室チャーターフライトのメンバーに抜擢された経験を持つ。経営破綻後の2010年より2年間、客室教育訓練室のサービス教官として約1000人以上の訓練生を指導し、多くの優秀なCAを輩出。
教官としての会社評価は、評価最上位に該当するS評価を受けるなど教官としても数々の実績を残す。サービスマインドの強化と身だしなみの授業は評価が高く「気づきの女王」「身だしなみ隊長」と呼ばれる。
現在は、株式会社GLITTER STAGEの代表取締役として接客マナー研修や社員教育などで全国を飛び回る。
「強い牽引力とわかりやすさ」には定評がある。主な著書に、『接客の一流、二流、三流』(明日香出版社)がある。