ですから、答えは「〇」です。

 IQテストにおける「正答率の低い問題」とは、共通ルール(共通点)を見つけるのが難しい問題のことです。つまり、テストの結果がいい人(IQが高い人)は、「共通点を見つける能力」に優れていることになります。

 そう考えると、その能力を鍛えることによって、知能は意図的に高められる可能性があるのです。

「共通点を見つける能力」とは、簡単に言うとパターン認識能力のことです。たとえば、友だちの妹とすれ違ったときに、「あ、似ている」と、友だちの顔が脳裏に浮かぶことがあるかと思います。どこか似ていると感じるのは、共通する特徴(共通点)を無意識に読みとっているからです。これと同じことを、どんな場面でも行えるようになれば、情報処理能力が圧倒的にアップします。

 では、どうしたら、「共通点を見つける能力」を鍛えることができるのでしょうか。

 かのアルバート・アインシュタインは、こう言いました。

「何かを学ぶためには、自分で体験する以上にいい方法はない」と。

 本書では、「ものの考え方」や「方法論」など、43の思考法を紹介しています。それらを通じて、高IQ団体に所属するような人間が感じている世界を、追体験してもらえればと思います。

 私自身、最初からすべてを実践できていたわけではありません。ほかの人とは違う能力があると感じながらも、自分が何者かわからず、思い悩んだ時期もありました。

 今でこそ、医師という、人と関わる仕事に就いていますが、以前は周囲とのコミュニケーションがうまくいかず、苦労したものです。自分がやりたいことも、なかなかできませんでした。

 自分のIQが高いことを知り、「共通点を見つける能力」を自在に操ることを覚えてから、すべてが変わったのです。

「発想の転換」という言葉がありますが、本書を読めば、考え方そのものが変わるはずです。

・凡人が試行錯誤しているなか、天才は時間をかけずに成功法を導き出す。
・凡人がようやくたどり着いた答えに、天才はあっという間に到達してしまう。
・凡人が一生懸命説得している横で、天才はサクッと希望を叶える。

 そんな現実が待っています。