「大規模マンション」がいいか、
「中規模以下」がいいか?

 中古マンションを選ぶ際、あなたはマンションの規模は重視しますか?

 日本のマンションの1棟あたりの平均戸数は、約50戸ともいわれています。

 2000年以降のマンションでは大規模が増え、総戸数1000戸以上も珍しくはありません。規模によって、それぞれメリットやデメリットがあるので見ていきましょう。

300戸以上か、150戸以下の物件がおすすめ

 大規模マンションとは、タワーマンションのような高層や団地のような戸数の多いマンションのことです。

 タワーマンションは、都心や郊外の駅前、湾岸エリアなど、駅周辺の再開発とともに供給されることが多く、一般的に60m以上、地上20階建て以上のマンションをいいます。

 団地は、都心近郊や郊外の工場、倉庫の跡地などの広大な敷地に供給され、複数の住居棟が並んで建っていることが多く、駅から遠い場合は居住者専用のバスが運行されている場合もあります。

 小規模マンションの場合、低層と中高層タイプが該当します。

 低層マンションは、一戸建てが多い静かな住宅街に供給されることが多く、周囲に高い建物がないので開放感があり、静かな住環境を求める方に向いています。

 中高層マンションは、都心から郊外、駅近から駅から遠い場所まで広範囲にわたって供給され、物件数が多いのが特徴です。敷地の広さによって、横長の長方形や細長い間取りがあり、大規模と比較するとワンフロアごとの戸数は少ない傾向があります。

 個人的には、市場に流通しやすいといわれている300戸以上の大規模、または、150戸以下の中小規模のマンションが下落率が低くておすすめです。

大規模マンションと中小規模マンションのメリットとデメリット

 

日下部 理絵(くさかべ・りえ)

大学在学中の2001年に実施された第1回マンション管理士・管理業務主任者試験に合格。大学卒業後、マンション管理会社勤務を経て、マンションの総合コンサルタント事務所「オフィス・日下部」を設立。女性ならではの視点で、マンション管理組合の相談や顧問業務にあたる。また、数多くの調査を通じて、中古マンションの実態に精通する。
これまでに「東京都マンション管理アドバイザー」「東京都立城南職業能力開発センターマンション維持管理科 専任講師」「一般社団法人マンション管理員検定協会 理事長」「一般社団法人マンション建替支援機構 副理事長」などを歴任。
マンションやマンション管理に関して、セミナー講師やコーディネーター、テレビ・ラジオ番組などにも出演多数。また、マンション好きが高じて、個人投資家としても区分所有物件を都心部中心に複数保有している。
主な著書に、『マンション理事になったらまず読む本』(実業之日本社)、『マンション管理組合・管理会社 これからのマンション管理ガイド』(ぱる出版)、『マンションの設備・管理が一番わかる』(技術評論社)、『目指せ! マンション管理員』(住宅新報社)などがある。