親ならば、子どもには賢く育ってほしいもの。しかし賢い子とは、どんな子どもだろうか。IQや偏差値が高い子や、受験勉強が得意な子ばかりが賢い子ではない。
もし、自分の損得だけに使う「知恵」を賢さだとカン違いして、それを自慢に思う子どもがいたとしたら、近い将来、彼(彼女)は社会からのけ者にされていくだろう。それが集団心理の基礎だから……。
弱い人の味方になれる子、自分の意見を持てる子、それをきちんと表現できる子、他人を心から応援できる子、そして素直な夢を描ける子……そんな前向きな心で人生にトライできる子どもに育ってほしいという願いを込め、心理学者・植木理恵さんはダイヤモンド社から『賢い子になる子育ての心理学』を上梓した。
心理学が積み上げてきた膨大なエビデンスをベースに、知っておきたい子育ての「正解」を解説していく。

椅子に座って何かをする
「習慣」を持たせる

「もっと勉強をしてくれたら……」。親であればたいがい、そのような嘆きを大なり小なり持っているのではないでしょうか。なかには「うちの子は勉強に向いていないのでは?」とすら感じている方もいるとおもいます。

しかし、勉強に関しては、スポーツのように「できる・できない」とか「向き・不向き」といったことはあまりありません。勉強が得意かどうかは、その子どもが勉強をする「習慣」を持っているかいないかの違いによるからです。

勉強のできる子は、勉強することがさほど特別なことなのではなくて、たとえば歯磨きやトイレに行くのが当たり前であるように、毎日とりあえずは机に向かうことが生活の一部になっています。
もちろん、いきなり勉強をさせるというのは難しいことですが、お絵描きでも絵本読みでもパズルでも、内容はなんでもよいのです。できれば小学校に入る前には、とにかく一日の中で何かを書いたり読んだりという時間をつくることです。

椅子に座って何か読み書きする時間が一日のうちにある、ということが小さいころからの生活習慣になっている子は、そのまま小、中、高校生になっても「勉強する習慣」を持ち続けることがわかっています。