早々とAIに取って変わられる
仕事も少なくない
この先2045年から50年には、汎用タイプのAI(AGI)が人間の知能を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)を迎えると予測されている。
シンギュラリティを迎える前に、早々とAIに取って変わられる仕事も少なくない。
それはコンピュータの登場と自動化によって、タイピストや電話交換手といった仕事が世の中から消え去ったのとまったく同じだ。
古代ギリシャの歴史家、トゥキュディデスが語ったように「歴史は繰り返される」のである。
AI時代に真っ先に淘汰されるのはタクシーやバス、トラックなどのドライバーである可能性が高い。
AIを活用した自動運転技術がもっと進んだら、少なくとも高速道路では運転手のいない長距離バスやトラックが走る時代になる。
信号もなく決まった軌道上を走っている地下鉄や電車、あるいは新幹線の運転手たちも自動運転技術で淘汰される日がやってくる。
私は子どもの頃、上野動物園の「おサル電車」を見てびっくりした思い出がある。
なぜ猿が電車を運転できるのかと不思議に思い、オヤジに「いい加減にしろ!」と怒られるまで1時間以上、飽きもせずに眺めていた。
何のことはない、猿は先頭にちょこんと乗っているだけで自動運転していたのだ(猿が実際に操作した時代もあったそうだ)。
おサル電車は、AI時代の自動車や電車を先取りしていた存在なのかもしれない。
専門職の代表格とされている公認会計士や弁護士といった仕事ですら、そう遠くない将来、AIに取って代わられる蓋然性が高い。
会計は厳格にルールが決まっているし、弁護士も基本的には過去の判例に基づいて弁護活動を行っている。
囲碁や将棋などと同じように過去のデータが豊富で、ルール化されているものほど、AIとの相性が良いため、代替されやすい。