長期目標をかなえるために、
中期、短期の小さな目標を設定する

大きな目標にたどり着くまでの小さな目標(中間目標)をクリアして行くイメージというのは、具体的にいうと下記のような設定です。

長期目標(理想)…… 一人で全て仕事を任されて、お客様からも信頼されている存在。
中期目標……仕事の全体像を理解し、任された領域に置いては一人で進められる。
短期目標(小目標)……新人として周囲から信頼を獲得し、安心して仕事を任される存在になる

その上で、今やっている仕事が単なるルーチンワークや、つまらない仕事だと思って、いい加減にやっていると、『新人として周囲からの信頼を得られず、安心して仕事を任せられない状態になる』と理解してもらうのです。

経験が少ない新人は、今やっている仕事と、自分の理想の姿を結び付けて考えられなくなっています。
マイルストーンの目標を置くことで、理想の姿になるための一つのステップだと理解して貰い、今やっている仕事の意義や意味を見出すのです。

「今やっている仕事も工夫をすれば、今までと違うやり方や効率よくやる方法も見つけられるのではないかな? 単純な仕事だからと言って、いい加減にやっている新人に重要な仕事は任せられないよね? まずは周囲からの信頼を得るために、どのような仕事のやり方をすればよいかしっかり考えよう」

このように伝え、捉え方次第で仕事の質も、やる気も変わってきます。辞める、と伝えてきた新人には、ぜひ、本人の理想(目標)を聞いて、一緒にマイルストーンの設定をしてあげましょう。

次回は、パターン[2]『自分には、この仕事ができる気がしない…』という弱気な新人」と、パターン[3]「『これは自分がやりたいことではない』と不満を言う新人」の例を見ていきましょう!

入社後、いきなり会社を辞める新人の特徴と対策とは羽田 徹(はだ とおる)
話し方コンサルタント・トップ講師プロデューサー・株式会社web-school.tv代表取締役
大学生の頃よりラジオDJを始め、1998年に大阪人気No.1のFM802主催の新人DJオーディションに合格。その後FM愛知や文化放送でラジオオDJとして10年間活動。番組降板により挫折し不動産投資会社の営業に転職。話し方を武器にさらに営業力を磨き、2年目にトップ営業になる。2008年にはその営業力が認められ倒産寸前だったロープライス眼鏡会社の取締役営業本部長に就任し、当時64店舗から110店舗への躍進を支える。またインターネットカフェ最大手にて社外取締役を歴任。2012年、ラジオDJとしての話し方の技術、営業力、組織マネジメント力、経営経験などを生かし、組織人事コンサルタント会社のリンクアンドモチベーションにてナビゲーター(研修講師)、ファシリテーターとして活動。大手企業からベンチャーまで年間100件以上登壇、延べ2万人以上の人たちと接する。研修講師の採用や育成の責任者も兼任。新人やマネジメント研修、エグゼクティブへのスピーチ・プレゼン指導、組織活性ワークショップ、働き方改革の為のロジカルシンキング講座などを得意とする。自身の経験から「学びでこの世界を豊かにする」を理念として活動中。著書に『ビジネスマンのためのスピーチ上手になれる本』(同文舘出版)がある。社会人のための「話し方動画教室オンライン」運営。