元日本テレビ記者・キャスターで認定NPO法人マギーズ東京の共同代表、先ごろ自身のがん経験をまとめた著書『もしすべてのことに意味があるなら~がんがわたしに教えてくれたこと』が評判の鈴木美穂さん。内閣官房シェアリングエコノミー伝道師、一般社団法人シェアリングエコノミー協会事務局長であり、著書『シェアライフ 新しい社会の新しい生き方』が話題を集めている石山アンジュさん。同時期に初の書籍を発行、そして学生時代のアルバイトも同じ…など共通点の多い2人の対談が実現。お二人の直近のトピックスである著書について、ざっくばらんに語っていただきました。(構成/伊藤理子 撮影/石郷友仁)

シェアによる「人とのつながり」が、人生をもっと豊かにする<br />【鈴木美穂×石山アンジュ】

「シェアする」ことが個人の幸せにも、そして世界の平和にもつながる

鈴木 アンジュさんの『シェアライフ』、面白かったです。読むまでは、そんなにたくさん「シェア」で書けることがあるのだろうかと思っていたけれど(笑)。

石山 そうでしたか(笑)。

鈴木 でも読んでみたら、生き方、暮らし方もそうだし、豊かさもそうだし、課題もそうだし、「シェアする」ことが個人の幸せにも、そして世界の平和にもつながるんだということが体系的に感じられて、とても幸せな気持ちになりました。

石山 すごく嬉しいです!「シェアリングエコノミー」ってメディアでよく見聞きするけれど、「エコノミー」自体は手段であり、「シェア」つまり分かち合いの思想や価値観こそが、今の社会にすごく必要なものだと考えています。『シェアライフ』はビジネス書ではあるのですが、届けたい層はシェアすることを知らない私よりもっと上の世代だったり、孤独を感じやすい子育て中のママだったりします。

鈴木 アンジェさんはもともと実家がシェアハウスなんですよね?

石山 そうそう。子ども子どものころからめっちゃ“シェアライフ”なんです(笑)

鈴木 よくメディアで「シェアガール」って呼ばれているけれど、生まれながらだとは(笑)。でも、その「シェア」の考えを社会に波及させようという発想は、いつぐらいから生まれたんですか?

石山 私、10代のころから同世代よりも「自分は社会の一員である」という感覚が強かったんです。

鈴木 さまざまなコミュニティの中で暮らしていたからですかね。

石山 そうだと思います。父は作家で母はデザイナーで、両親ともクリエイティブで自由な考えを持っている人で、本当にシェアな環境で育ったから…。でも、私が12歳のときに両親が離婚して、自分の存在意義とか生まれた意味をすごく考えたんですよ。両親が愛し合って自分が生まれたはずなのに、2人が離婚した今、私がこの世にいる意味って何だろうって。そのときの結論が、「自分はこの家庭に生まれたというより、“この地球・この社会”に生まれたのだ」だったんです。

鈴木 すごい。12歳って、小6ですよね。

石山 この「社会のために、自分が生まれた」と思えたことが自己信頼にもつながったし、今につながる使命感にもなりました。

鈴木 なるほど。