【Case2】チーム内での連絡をLINEにしたい
従来、社内での連絡手段は電話かメールが基本でしたが、最近ではSNSを取り入れている企業も増えています。スマホで簡単に業務連絡や情報共有ができるので、便利ですよね。ただ、
×「チーム内の連絡、LINEじゃダメですか?」
と直球で伝えると、前例に従いたがる上司ならば「今まで通り、電話とメールで十分だろ?」と返されてしまうかもしれません。そんな場合、こう言ってみてはどうでしょう?
〇「新入社員も意見を言いやすくなるので、チーム内の連絡はLINEにしてみませんか?」
これは、伝え方の技術「相手の好きなこと」を使っています。新人がまだ職場に溶け込んでおらず、おとなしくて発言が少ない点に課題を感じている上司であれば、「新入社員が意見を言いやすくなる」のは嬉しいこと。LINE導入を前向きに検討してくれるでしょう。
このように、上司が困っていること、気にしていることを理解し、「それを解消できる」(=好きなこと)と伝えれば、イエスがもらえる確率がぐんと上がります。
「相手の好きなこと」…基本でありながら、最強。人に好かれる伝え方ナンバー1。「相手の好きなこと」をもとに考えるので、好感をもたれながら、こちらのお願いを受け入れてもらうことができます。
【Case3】上司に明快な指示を出してほしい
部下への指示があいまいだったり、指示が二転三転してなかなか定まらなかったり…。こういう上司のもとで働くのは部下としてはしんどいもの。どの方向を向いて頑張ればいいのかわからず、無駄な動きをしてしまうことになり、モチベーションも下がってしまった…という声も耳にします。とはいえ、そんな上司に
×「もっと明快な指示を出してください!」
と訴えたところで、気に留めてくれるどころか「生意気な部下だ」と思われてしまうかもしれません。「部下に批判された」と感じ、上司のほうから壁を作ってしまう恐れもあります。
そんなときは、こう伝えてみてはいかがでしょうか。
〇「内田さんの求めることにズバリ応えたいんです。目指すところを詳しく教えていただけませんか?」
これは「相手の好きなこと」を使った伝え方です。「求めることに応えたい」という部下の思いは、上司にとっては嬉しいこと。「ズバリ応えてもらうために、もっと明快な指示を出そう」と思ってもらいやすくなります。
伝えたいことは、どちらも同じ。しかし、相手の気持ちを想像し「伝え方の技術」を使って伝えれば、人間関係を壊さず、むしろ良くしながら、相手の行動を変えることができるようになります。