NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」など、テレビで話題沸騰の「伝説の家政婦」志麻さん。「スーパーJチャンネル」(テレビ朝日系)、「うまいッ!」(NHK総合)などにも出演。
あの志麻さんが、初めて書きおろした料理エッセイ・レシピ本、『厨房から台所へ――志麻さんの思い出レシピ31』が発売たちまち重版となり話題沸騰。第6回「料理レシピ本大賞in Japan」【エッセイ賞】の一次選考も通過したという。
レシピの背景にある波乱万丈のエピソードとともに、調理のコツも凝縮。ふだん家で食べたことのない「フランスのママン直伝のキッシュ」「梨リングフライ」「龍馬チョコレート」は絶品。
さらに、「母の手づくり餃子」「おばあちゃんのお煮しめ」「けんちょう(山口の郷土料理)」のなつかしの味から、「ゆで鶏のシュープレームソース」「豚肉のソテーシャルキュティエールソース」「子羊のナヴァラン」「ローストチキン」などのフランス家庭料理、「フォンダンショコラ」「カトリーヌ先生のそば粉のクレープ」などのデザート、1歳の息子お気に入りの「鶏手羽元のポトフ」まで、実に多彩なレシピがあるという。「3時間で15品」など、これまでのイメージとはまったく違う志麻さんが、あなたの前に突如、出現するかもしれない。
今回は志麻さんに思い出レシピ「プルーンのベーコン巻き」を紹介してもらおう。(撮影・三木麻奈)。
6時ぴったりに来ないフランス人
フランス人はあまり外食をしません。
普段の食事もそうですが、人を招くときもレストランに行くよりも家でパーティをすることのほうが多いです。
私自身もよくパーティに招かれたり、招いたりします。
パーティが始まる時間が夕方の6時からだと言われたら、日本人はきっちり6時に行ってしまいますが、私の知り合いのフランス人たちはのんびりで、6時ぴったりにみんなが集まることはありません。
6時くらいからポツポツ人が集まり、食前酒を飲みつつ、おしゃべりをしながら時間をすごします。
はじめてその家に来た人には家の中を案内してくれます。
私が学生時代に初めてお邪魔したフランス人の家庭では、リビングやキッチンはもちろん、バスルームや子ども部屋、地下室、庭に植えてある木や花の説明までしてもらったのを覚えています。
私の住んでいる家は古民家で狭いのですが、確かに旦那のロマンも、初めてくるお客様には家の隅々まで説明していました。
そんなことをしていると、あっという間に時間が過ぎ、全員揃う頃には8時を過ぎていることもあります(笑)。