将来を描く力を重視
ワンマン経営はマイナス要因に

 まずは経営の根幹となる、ヒトの見極め方だ。

 日本の企業は中小企業が大半を占め、その多くがオーナー企業だ。それ故に、経営者が企業を映す鏡となる。経営者が事業の将来像を描けなければ、企業の未来はない。

 将来を描くという観点は最近の金融機関が重視するポイントで、専門知識を有するブレーンの育成や、トップに不測の事態があっても経営を引き継げる後継者育成の有無をチェックしている。

 また、オーナー企業の特徴の一つがワンマン経営だ。かつては長年培ってきた人脈や経験がプラスになるとされていた。しかし、今は一転してマイナス要因だ。好き嫌い人事が横行するリスクがあると評価される。経営者が公私の区別をつけていない場合は、さらに厳しく見られる。

 経営者だけではなく、社員の行動も判断材料の一つ。退職が相次ぐようなら要注意だ。社員の専門知識や技量があったからこそ受注できていた仕事が、その社員の退職後になくなるケースもある。企業の崩壊は、社員の退職から始まるといっても過言ではない。

 最近では、SNSなどが社員の不満のはけ口になることが多い。内部告発もあるため、口コミサイトなどをチェックしておきたい。