三菱・三井・住友財閥グループの真実#7

三大財閥グループの今を大解剖する「三菱・三井・住友 財閥グループの真実」特集。第5~8回は「同業種の宿敵対決」シリーズをお届けする。第7回は不動産を取り上げた。(週刊ダイヤモンド2019年7月20日号を基に再編集)

金城湯池を有する三菱、三井
ゲリラ戦を挑む新興の住友

 2020年にかけての「オフィス大供給時代」を迎え、三菱地所、三井不動産、住友不動産によるテナント争奪戦は熾烈を極めている。

 財閥系3社の戦いは、大まかに言えば、金城湯池を有する三菱、三井に、新興の住友がゲリラ戦を挑むというものだった。具体的には、三菱は東京の丸の内や大手町、有楽町を牛耳る一方、三井は日本橋と八重洲を長らく牙城としてきた。

 これらに対し、後発の住友は当初、都内に3棟しかオフィスビルを持たない弱小会社だった。同社は三井、三菱が手を出さない地域の再開発を手掛けることで業界最多のオフィスビル(都内220棟)を持つまでに成長した。

 実際、バブル期の1990年度から18年度までの経常利益の伸びを見ると、住友は5.9倍と他の2社を上回っている。