西川社長は2年で業績を回復させるとして、過去の投資分の整理や選択と集中で効率化して固定費を3000億円減少し成長に伴う利益の改善1800億円を含め、22年度に営業利益を8700億円に引き上げる方針だが、現状の収益性低下を見るとかなり難しいものとなりそうだ。

 このため、日産としては提携先の仏ルノーとの関係再構築が求められる。コスト削減や次世代技術の効率的な投資を進めるためにもルノーと三菱自動車も含めた3社連合の相乗効果は欠かせないものとなろう。そのためにも早期にルノーとの関係、とくに資本構成の見直しによって日仏3社連合の生きる方向づくりを改めて明確にすることが大きなポイントになる。

20年前の
トヨタと日産の姿がダブる

 西川日産体制の滑りだしは、大きな重荷を背負う形となった。日産単独の大幅な収益力低下は、ルノーの今上期の純利益が半減したこととも連動し、三菱自工も4~6月期の純利益が67%減の93億円にとどまった。日産の大幅な収益力低下からの脱却いかんにより、日仏3社連合の今後の方向が占われることになる。

 1970年代から日本を代表する自動車メーカーであるトヨタと日産をウォッチし続けてきた筆者は、99年に単行本「トヨタの野望、日産の決断」をダイヤモンド社から上梓したが、この20年前にトヨタと日産が置かれた情勢は、時代背景は異なるものの今回と共通するものがある。

 このCASE新時代にあって、トヨタは新モビリティのリーダーとなる野望を秘め、日産はこの業績悪化からの脱却へ向けて、ルノーとの関係をどう決断するかということである。

(佃モビリティ総研代表 佃 義夫)