「英語が全然話せない」「皆の会話に入れない」「会議で一言も発言できない」。ネイティブを前にしたとたん、「英語が通じない」と悩む日本人は多くいます。一方で、日本人と同じく、英語でハンディがあるはずの非ネイティブは、うまくやっています。なんと、ビジネス英語には、非ネイティブが身につけるべき「絶対ルール」が存在したのです。
1年2ヵ月売上ゼロで窮地に追い込まれた著者が、今ではネイティブを部下に持ち、15か国以上の外国人プロフェッショナルをマネージするきっかけとなった、非ネイティブが実践しているテクニックを『非ネイティブエリート最強英語フレーズ550』にまとめました。学生時代に学んだ単語でじゅうぶん。使えるフレーズを多用し、ポジティブで丁寧な言い回しを意識すれば、英語での会話は怖くありません。「こんなとき、なんて言えば?」があっという間になくなるキーフレーズを中心に紹介します。

名前を忘れても、
英語名が覚えにくいとごまかす

 たくさんの外国人たちが一堂に会して挨拶を交わしたときや、次々と大勢の人を紹介されたときなどは、相手の名前をなかなか覚えることができません。シンガポールに移り住んで16年目になりますが、私もいまだに覚えるのが苦手です。

「覚えていなくても支障なし」と油断していると、ある日突然、窮地に陥ります。「久しぶり! 覚えている?」とこちらの名前をバッチリ覚えている外国人に再会してしまうのです。勢いで「もちろん!」と答えてしまい、ひとしきり会話が盛り上がってしまったら名前を聞き直すなんて、もう不可能だとあきらめてしまうことでしょう。

 しかし、非ネイティブはこんなどうしようもない「今さら名前なんて聞けない!」タイミングであっても、本フレーズを使って、名前を聞き出してしまうのです。

相手の気持ちを害することなく、
名前を聞き出せる

「会話が落ち着いたとき」や「さんざん話が盛り上がったあとの別れ際」、「I have a terrible memory for international names.」(私は外国人の名前を覚えるのがとても苦手です)とさらっと名前を聞き出すのです。

 このフレーズのポイントは、「私は覚えることが苦手」と言うことで、「相手を軽んじているわけではない」とアピールしている点です。相手の気持ちを害することなく、名前を聞き出すことができるのです。

 また、日本人を含め英語圏以外の人にとって、英語名は覚えづらいということは、外国人もなんとなく理解しています。英語名を覚えるのが苦手と正直に話し、「My apologies. I have a terrible memory for international names. I’m 〜 . Could I have your name?」と声をかけましょう。

 以前、私が思い切ってこのフレーズで名前を尋ねたら、相手も「私も実はあなたの名前を忘れていた。ごめんね」と言ってくれて、お互いにホッとしたということがありました。外国人にとっても日本人の名前は覚えづらいので、このフレーズのおかげでお互いに名前を聞けたのです。

 海外では、名前を呼び合うことはコミュニケーションを円滑にさせます。外国人たちは、名前をすぐに覚えて、その場で呼び合うことで相手へ敬意を示します。名前がわからないけれど聞けないと遠慮せず、忘れたときにはさっとこのフレーズで聞いてしまいましょう。