今後の手がかりとなる、
チャンネル登録者と「自然流入」
もちろん他にも重視しておきたい数字はいくつもあります。
例えばチャンネルの登録者数は、ファンの数を知るための、最も重要な手がかりです。
登録をしてくれたユーザーは、動画が配信されるたびにコンテンツを見に来てくれます。ファン以外のユーザーは、「このコンテンツ、おもしろそうだな」と思って初めて見てくれますが、チャンネル登録者は、たとえ昨日よりおもしろくなくても見に来てくれるのです。
クリエイターが「おもしろいわけではないが、本当に訴求したいことを盛り込んだ動画(つまり配信者のCM)」を配信したいときにも見てくれる人たちなので、チャンネル登録が増えたか減ったかは、常に気にしておくべきでしょう。
外部へどのくらい拡散しているのか、1つの目安があります。
それは「自然流入」が増えているかどうかを確認すること。
そのコンテンツがどのくらい見られているかということは、分析ツールを使えばすぐにわかります。
では、インターネット上でどれだけ拡散しているのか、それをはかる方法はあるのでしょうか。
拡散はプラットフォームの外で起こっていることなので、その数値を正確に割り出すことはできません。しかし、その手がかりをつかむことはできます。それが「自然流入」(オーガニックともいいます)です。
自然流入とは、広告以外から流入してきたトラフィックをいいます。例えばニュースサイトやSNS、検索サイトなどから広告を経由せずに入ってきたトラフィックは、どれも自然流入といえます。
自然流入は広告以外から流れてきたトラフィックなので、そのコンテンツが広告に頼らない集客力をどれだけ持っているか、ということを示してくれます。
「数字はノウハウとお金で担保できる。バズは確率論だ」と述べましたが、広告費を払って流入したアクセス数が意図的に増やしたものだとすれば、自然流入は投稿後に何もせずとも伸びていく数字です。
つまり、自然流入が多いということは、拡散が順調に進んでいるということです。動画を投稿して、それがたくさんの人にシェアされて、口コミで広がり認知されれば、自然流入が増えるのです。いずれにしても、「(つくり手側が)何もしていないのに勝手に拡散されている!」状態が理想です。
自然流入が増えたら、「何が理由(きっかけ)だったのか」を調べてみましょう。人気動画の関連動画に上がっていた、注目の検索ワードがタイトルなどに入っていた、インフルエンサーがSNSで拡散してくれたなど、明らかな理由(きっかけ)が見つかれば、今後の動画制作やライブ配信の参考になるでしょう。
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著者からのメッセージ
「動画をつくってみたものの、まったく見られていないんです……」
「SNSやホームページで案内をしているのに、何の反応もありません」
こうした悩みをよく耳にします。
なぜ、多くの人に動画を見てもらえないのでしょうか。
・予算がなく、質の高い動画をつくれなかったから?
・動画に有名人が出ていないから?
・そもそも、わが社(私)が無名だから?
答えは、すべて「ノー」です。
・予算がなくても
・有名人が出ていなくても
・中小企業や無名の方であっても
多くの人に見てもらえる動画はつくれます。
インターネット上で多くの人に情報が伝わっていくこと。
本書ではこれを「拡散」と呼びます。
ご存じのとおり、コンテンツはつくっただけでは届きません。
つくって、届けて、広げていく。
人々に情報が確実に届くためには、この一連の「流れ」が必要なのです。
本書ではこの方法をお伝えしたいと思います。
おもな目次
はじめに 9割以上の企業が「やってみたけど、反応なし」
第1章 知らない人も多い! 動画の超・基礎知識
・毎年マーケットが成長し続けている
・数万円あれば、制作から配信までおこなえる
・とにかく「質」より「量」を重視すべき
・5Gの登場で可能性が広がっている
・「インフルエンサー」を知らずして拡散はできない
・YouTuberが10代、20代からの圧倒的な支持を得ている理由
・新規ユーザーと既存ユーザー、大切なのはどっち?
・有料チャンネルと無料チャンネル、有利なのはどっち?
・無料コンテンツで収益化をはかるための「必須アイテム」
・だれでもできる、トレンドをつかむコツ
・押さえておきたい「ゲーム実況」ジャンル
第2章 「拡散する動画」コンテンツのつくり方
・どうすればバズる動画をつくれるのか
・動画制作はプロに頼むべきか
・企画段階で再生回数やシェアをどう見込むか
・動画は流行を追いかけるべきか
・動画の長さはどのくらいがベストか
・本題に入る前にユーザーが離脱してしまう
・字幕は入れたほうがいいか
・タイトルには自社商品名は必要か
・大げさなタイトルは避けたほうがいい?
・クリックされやすいサムネイルのコツ
・再生回数が伸びないときは
・注目されたいときは炎上マーケティングもアリ?
・TikTokのようなショートムービーは、企業のPRにも使えるか
第3章 「人を集めるライブ配信」コンテンツのつくり方
・「ライブ配信」とはどんなコンテンツか
・ライブ配信は「相互性」が最大の魅力
・ライブ配信で人気の、3つの配信形式とは
・動画に比べてライブ配信の視聴者数は少ないが…
・企業にとってのライブ配信・7つのメリットとは
・ライブ配信に必要な機材は?
・クリエイターとライバー、それぞれに求められている能力は?
・ライバーとしてのスキルを試す方法はあるか
・ライバーはどのように収入を得ているのか
・ライブ配信で気をつけるべきことは?
第4章 「拡散する動画・ライブ配信」の運用方法
・動画の配信時刻はいつがベスト?
・チャンネルのトップ画面に何を置くべきか
・タグは付けたほうがいいか
・企業の場合、チャンネルとサムネイルの設定は?
コメントには返信すべきか
コメント欄が炎上してしまったら
第5章 拡散効果のはかり方と分析の仕方
・最初はどの数字に注目すべきか
・分析ツールの、何を見ればいいか
・改善・改良を効率的に進める方法とは
・トラフィックソース(動画の流入元)で重視すべき点は?
・どのくらい拡散しているか、分析する方法はあるか
・どこにKPIを定めればいいか
第6章 インフルエンサーをマーケティングに活用する
・どんなインフルエンサーに依頼すればいいか
・芸能人やアナウンサーを使えば、さらに拡散するのでは?
・好感度の高い人をキャスティングすべきか
・インフルエンサーを使ってみたが、商品が売れない
・好条件を提示したのに断られるのはなぜ?
・視聴者に「タイアップ」だと知られたくないのだが…
巻末付録
【巻末特典1】インフルエンサー対談/ゆうこすさん/SUSURU(すする)さん
【巻末特典2】動画・ライブ配信に必要な機材
著者プロフィール
飯田祐基(いいだ・ゆうき)
株式会社ライバー 取締役会長 ファウンダー
学生時代からネットラジオやニコニコ生放送の配信者として人気を集める。配信者時代は、自身の影響力を用いてファミリーマートの商品開発等に関わったり、グリーのCMコンテストで優勝し賞金100万円を獲得するなど個人の影響力を使ったビジネスを展開。大学中退後、インフルエンサーマーケティングのパイオニアとして様々な企業チャンネルの運営、番組・動画制作を経験。
22歳で株式会社テクサ(現・株式会社ライバー)を設立し、インフルエンサーを起用した効果的なプロモーションと動画・ライブ配信広告を専門に、次世代のインターネットメディアを牽引していく。
代表的な制作実績としては、インターネットで活躍する歌い手の番組「ひきこもりでも◯◯したい!」が全12回で4000万再生以上。ライブ配信で同時接続数日本一の専属タレント「コレコレ」ほか、影響力があるクリエイター3000人と提携している。書籍『バズる動画・ライブ配信 確実に拡散するしくみ』が初の著書となる。