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ホンダの不文律を破り、本田技術研究所社長を経ずに本体の社長に就任した八郷隆弘・ホンダ社長。今年5月、対外的なメッセージを積極的には発信してこなかった八郷社長が、大々的に打ち出した経営方針は「聖域なきリストラ」だった。競合メーカーが「CASE(コネクテッド、自動運転など)」に代表される新領域への投資を加速させる中、覚悟の守りを決めた八郷社長の真意はどこにあるのか。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 浅島亮子)

リストラ敢行の真意から後継者の条件まで
すべてを語り尽くす

――2015年2月に伊東孝紳前社長からバトンを受けた当時(就任は同年6月)、「フィット」のリコール連発などを受けて荒波の中の登板でした。本田技術研究所の社長ポストを経験する代わりに、購買、生産(鈴鹿製作所長)、欧州、中国と重要分野を立て続けに担当しており、次に社長になるという予感はあったのですか。就任から5年目に入り、今だから話せる裏話はありますか。

 まだ、現役なので話せるエピソードはないです(笑)。次に自分が社長になるかもしれないという気持ちはあまりなかったですよ。あまりというか、なかったです(笑)。伊東前社長から指名された時は、びっくりしたというのが正直なところです。

 ただ、欧州1年、中国2年と日本を離れている間に、現地にまで日本のネガティブな話が聞こえてきていましたので、なんでそうなっているのかなとは思っていました。社長に指名された時に、「もう1回、日本を元気にしないといけないな。ホンダ社内で一体感を持たせないといけないな」と強く思いました。