その結果、男女にかかわらず、自分自身をケアするための時間や自分の楽しみのための時間がしばしば足りない人で心血管健康スコアが低いことが分かった。女性ではさらに、重圧のかかる仕事が家庭生活に影響を及ぼしている、または家庭生活が仕事に影響を及ぼしている状態にあるとスコアが低かったが、男性ではこの関連は認められなかった。

 この結果についてSantos氏は、「興味深い結果だ。われわれが過去に実施した研究では、仕事のストレスのみによる影響は男女で同程度であることが示されている」と話し、家庭では女性が重要な役割を担っている場合が多いことが要因ではないかとの見方を示している。

 今回の研究には関与していない、循環器病予防医学の専門家で米エモリー女性心臓センターのGina Price Lundberg氏もSantos氏のこの意見に同意し、「家事を手伝う男性が増えたとはいえ、働く女性たちはいまだに女性としての役割をこなさなくてはならないと感じ、全てを自分でやろうとしてストレスを抱えていると思われる」と考察している。

 また、Lundberg氏は研究について、「健康的なワーク・ライフ・バランスの必要性を明確に示したもの」と説明。「研究参加者は、人数が多く、男女のバランスもとれており、多様性もあった。適切に計画された質の高い研究だといえる」と評価した上で、「仕事と生活の統合(ワーク・ライフ・インテグレーション)は難しい、という既にわれわれが感じていることを裏付ける研究結果だといえる」と話している。(American Heart Association News 2019年10月10日)

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