毎日、何気なく、お風呂に入っていませんか? そうだとしたらもったいない! 「入り方次第でお風呂タイムは治療になる」と言うのは、自律神経や腸の研究の第一人者で「医者が教える長生きみそ汁」の著書もある小林弘幸先生(順天堂大学医学部教授)。
寝ても取れない日々の疲れや、肩こり・腰痛などの慢性的な痛みに、一生悩まされない体を作る、究極のお風呂の入り方を提案した新刊「医者が教える 小林式 お風呂健康法」をベースに、自律神経と腸に最大効率で働きかけるお風呂の入り方を解説します。
自律神経を整えるには副交感神経をあげる
自律神経は自分の意思ではコントロールできないけれど、間接的にはコントロールできるとお伝えしました。これは、私たち自律神経研究チームの、長年の研究によって明らかになった事実です。
整え方のポイントは、ずばり「副交感神経を上げる」こと。
実は、自律神経のバランスは、環境や天気など、日常的なことだけではなく、加齢によっても乱れやすくなります。
女性の場合、「40歳を過ぎたころから、体の無理がきかなくなった」と感じている人が多いのではないでしょうか。それは決して気のせいではなく、自律神経の働きが悪くなった証だと言えます。なぜなら、男性は30歳、女性は40歳を境に副交感神経のレベルがガクンと下がってしまうからです。
副交感神経が下がることによって自律神経のバランスが乱れると、体が疲れやすくなるだけではなく、肌や髪のエイジングが進みます。血流が悪くなることで、肌のターンオーバーが遅れ、シミやしわが目立ちやすくなりますし、頭皮にも栄養や水分が行き渡らないので、パサついた老けた印象の髪になってしまいます。
したがって、40代以降の女性が自律神経のバランスを整えるためには、下がってしまった副交感神経をいかにして上げるかということが大切になってきます。