毎日、何気なく、お風呂に入っていませんか? そうだとしたらもったいない! 「入り方次第でお風呂タイムは治療になる」と言うのは、自律神経や腸の研究の第一人者で「医者が教える長生きみそ汁」の著書もある小林弘幸先生(順天堂大学医学部教授)。
寝ても取れない日々の疲れや、肩こり・腰痛などの慢性的な痛みに、一生悩まされない体を作る、究極のお風呂の入り方を提案した新刊「医者が教える 小林式 お風呂健康法」から、入浴で自律神経と腸の働きを最大限に働きかけるにはどうすればいいのかの、エッセンスを紹介します。

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腸は人体最大の免疫器官である

 前項で、入浴は腸を整えるためにも一石二鳥であるとお話しました。では腸が整うと、どういうことが起こるのでしょうか?
 腸の働きが活性化すると、血液の質がよくなるだけではなく、実は免疫力も高まります。免疫力が高まれば、病気を未然に防ぐことができるので、余計な疲れや痛みに襲われるリスクも軽減するでしょう。

 腸には、全身の免疫細胞の約7割が集まっており、「人体最大の免疫器官」と言われています。免疫細胞は、体の中に侵入してきた細菌やウイルスなどの敵を瞬時に見つけ、戦い、退治してくれます。その活躍は腸内にとどまらず、血流にのって移動し、体のいたるところでなされます。

 さらに、小腸の一部には「パイエル板」という免疫装置があり、そこでは免疫細胞たちによって、まるでAIのような学習が行われています。これまでのビッグデータから、人体にとって有害な敵を見極め、退治する訓練が行われているのです。とても賢いですよね。

 実は、腸は脳と同じように、自ら判断して働いている臓器です。脳の指令がなくてもたとえば腐った食べ物を口にしてしまった場合、自らの判断で嘔吐や下痢をもたらし、異物を排出します。それどころか、生命にとっては脳よりも腸のほうが根源的なものであり、ほとんどの動物は、最初に形成されるのは脳ではなく、腸なのです。