と、このようにまとめると、創業から順風満帆だったかのように思えるが、そうではない。シャオミは14年、15年と2年連続で中国スマホ市場1位を獲得したが、16年には5位にまで急落している。代わりにトップ3に入ったのがファーウェイ、OPPO(オッポ)、vivo(ビボ)の製造業出身3社だ。急落の要因はマーケティングや販売チャネルなど多岐にわたるが、ネット企業を標榜するシャオミはスペックでは上回っていても製造品質では製造業出身のメーカーに劣るとの評価が広まったことも見すごせない。シャオミは18年7月に香港で上場したが、株価は上場時が最高値で、現在はほぼ半値にまで落ち込んでいる。

 シャオミが反攻の拠点としたのがインド市場だ。15年にはインド工場を開設、17年第4四半期には出荷台数1位の座を獲得し、現在もその座を保持している。さらにインドネシアや西ヨーロッパへも進出。売り上げに占める国外市場の比率は17年の28%から18年には40%と急進している。

 ただ、スマホ市場の争いはどの国においても激烈だ。米調査会社IDCによると、19年第3四半期のインド市場首位はシャオミだが、出荷台数の伸び率は8.5%にとどまっている。これに対しライバルのVivoは前年比58.7%増、realme(OPPOから独立したブランド)は前年比401.3%増、OPPOは92.3%増と猛烈な勢いで追撃している。

 そもそも世界スマホ市場は17年から減少が始まっている。新規顧客の獲得を争う成長市場と比べ、相手の客を奪い合う縮小市場の競争はまさに生き馬の目を抜く世界。インドで息を吹き返したシャオミにとっても、気を抜けない戦いが続く。そして今後も海外展開を進めると明言しており、その一環が今回の日本参入だ。シャオミのビジネス戦略を踏まえれば、日本市場でもかなり猛烈な攻勢をかけてくるのではないだろうか。