次に、介入終了時にダークチョコレート群ではNGF濃度が有意に上昇していることが確認された（P＝0.0059）。そして、テスト1の文字読みの正答数が有意に増加していた（P＝0.017）。またテスト2では3回目のトライの正答率が有意に向上していた（P＝0.014）。ところがその一方、ホワイトチョコレート群ではいずれも有意な変化がなかった。

　続いて介入終了から3週間後の結果だが、ダークチョコレート群ではNGF濃度は介入前のレベルに戻っていた。しかし、認知機能は引き続き有意に高い状態に維持されていた。なお、テスト1の文字の色読みの正答数は、ダークチョコレート群では介入前より有意に増加していた（P＝0.012。ホワイトチョコレート群はP＝0.050）。

　この他、同時に検討されたテオブロミン濃度はダークチョコレート群の介入期間のみ、血中レベルが有意に高かった。血中カフェイン濃度、脳由来神経栄養因子（BDNF）、前頭前野血流量は、両群ともに有意な変化は見られなかった。

　これらの結果について著者らは、「ダークチョコレートの連日摂取によって、血中NGFとテオブロミンのレベルが上昇し、認知機能の向上が認められた」とまとめるとともに、「連続摂取が終了しNGF、テオブロミンレベルが介入前値に戻った後も、認知機能の高い状態が継続していたことは興味深く、分子メカニズムの検討が必要」としている。（HealthDay News 2019年12月9日）

Abstract/Full Text
https://www.mdpi.com/2072-6643/11/11/2800

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