「ごめんなさい」を言わせるのは3流のリーダー

 部下のミスをあげつらい、「ごめんなさい」と言わせるのは簡単なことです。しかし、それはリーダーの仕事ではありません。考えるべきは、2度目、3度目のミスが起きないよう手を打つことです。

 そのためには「目に見えている問題」の奥にある「まだ顕在化していない、根本的な問題」をつかむ必要があります。

 先ほどの例でいえば、「人員を減らされて業務が増え、全員休日返上で働いているうえに毎日夜遅くまで残業が続き、ギリギリの状態だった」「ほかの支店でも同じ窮状に陥っている」という部分です。

 さて、説教するのが苦手なあなたには、「表面的な事実」に振り回されず、「根本的な問題」を丁寧にあぶり出す素質があります。

 たとえば、「売れていない商品が店頭に放置されている」状況があるとします。説教好きなリーダーなら「売れていない商品を放置するなと言っているのに、まだ店頭にあるじゃないか! 何度言ったらわかるんだ!」とすぐ激昂するでしょう。

 しかしあなたなら、「なぜ、売れていない商品が店頭に残り続けるのか」と冷静に問いを立て、「根本的な問題」を検証することができるはずです。すると、「『売れていない商品とは何か』がメンバー全員と共有できていない」など、売れていない商品が店頭に放置されている「真の原因」にたどり着けるのです。

 説教が必要と思われる場面であなたがすべきことは、問題がどこにあるのか、部下の話を聞きながら明らかにしていくことです。