私の先輩ドクターに、忙しくて健康診断を受けていなかった人がいました。徐々に痩せてきたので尋ねてみると、「今、ダイエットをしているから」と言っていましたが、ある日突然、心筋梗塞で亡くなってしまいました。そのあとで調べてみたら、HbA1cの数値は12~13という、とんでもない値になっていました。そのドクターも健康診断を受けていたら予防できていたはずです。これこそ医者の不養生ですね。
会社で健康診断が義務付けられているビジネスパーソンはいいですが、中小企業のオーナーや個人事業主は健康診断を受けていない方がたくさんいます。糖尿病の女性も増えていますが、ビジネスパーソンの妻の女性は健康診断を受けていないことが少なくありません。今は自治体で無料の健康診断を行っているので、ぜひ活用してください。
筋肉を増やせば糖尿病の薬は減らせる
糖尿病は初期の段階なら、生活習慣を正して、運動と食事に気をつけるだけで、おそらく2~3カ月後には正常値に戻ります。その場合、治療にお金はかかりません。タダです。ビジネスパーソンならタクシー代などの節約にもつながります。
2~3カ月で元に戻らなければ、薬を飲むことになるでしょう。それでも初期の段階なら、飲み薬を1カ月ほど飲んでいれば、血糖値が落ちついてきます。薬はその後も飲み続けなければいけませんが、1年ぐらいかけて徐々に運動量を増やし、体を筋肉質にしていけば、薬の量は減らしていくことができます。
筋肉が多くなれば、糖をたくさん取り込んでくれます。筋肉量を増やす筋トレも有効ですが、なかなかハードです。筋トレを続けるのが大変ならば、今ある筋肉に効率的に糖を使わせる有酸素運動がおすすめです。何がいいか、ではなく、何なら続けられるか、のほうが重要です。
例えば、ビジネスパーソンなら、これまでエレベーターで5階のオフィスまで上がっていたところを階段で行くようにする。半年も続ければ、脚の筋肉もついてくるし、ウエストまわりも引っ込んでカッコよくなるでしょう。同時に、糖尿病の薬も減らすことができます。
つまり、ビジネスパーソンは、カッコよくなると糖尿病の薬がいらなくなるんですよ。一石二鳥の効果を狙って、糖尿病予防を始めてみましょう。
(本記事はOpenDoctors[オープンドクターズ]からの提供記事です)