日本企業の間では、第1の柱である市場国が持つ新課税権についての関心が高いが、現段階では細部が固まっていない。

 おおまかな考え方だが、対象となる企業は、営業利益率10%以上、海外子会社も含む連結売上高900億円(7億5000万ユーロ)以上の「自動化されたデジタルサービス」と「消費者向けビジネス」を行う多国籍企業とされている。

 これらの企業の利益、具体的には営業利益率のうち10%を超える部分を「超過利益」として、その一部を市場国に配分する。

 現在、新興国などは、利益率を10%より引き下げて対象の拡大を主張しているといわれている。

 このうち市場国に配分される超過利益の割合は、20%という案が、現状では有力といわれている。

 したがって営業利益率が25%の企業を例にとると、15%(25%-10%)が超過利益とされ、その20%である、「営業利益の3%分(15%×20%)」が市場国に配分されることになる。

 これにより、物理的拠点(PE)がなくても、市場国に一定の売り上げがあればネクサス(課税根拠)を認定して、市場国が課税権を持つことになる。

GAFA狙い撃ちに米国反発
“ブランド企業”にも課税拡大

 OECDの議論の中で、米国が「GAFA狙い撃ちの案は受け入れられない」と主張したこともあり、ターゲティング広告やマーケットプレイスなどに加えて、ナイキやルイ・ヴィトン、ソニーなど、市場国でブランドなどの無形資産を活用して利益を上げている「消費者向けビジネス」にも課税の対象が広がった。

 各国の税収に与える影響を一般的にいえば、アイルランドやシンガポールなど、税を軽減することで企業の投資のハブとなっている国は税収が減り、日本を含めた先進国や新興国・途上国は税収が増えると考えられる。

 第2の柱であるミニマムタックスの導入による増収分を含め、全体では、年間1000億ドルもの法人税収の増収が予想されている。