上手い文章は、街の情景が伝わる。そして人の表情が浮かぶ。それは書き手が、カメラマンのようにアングルを切り替えているからだ。単調な描写では見えないものも、角度が変われば見えてくる。
ダイヤモンド社より『コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術』を刊行したコピーライターの阿部広太郎氏が教える、心情と情景を伝える文章のテクニック。そう、あなたはカメラマンであり、監督だ。

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カメラで撮るように書く

今ここにトマトがあるとする。赤さについて語りたい人もいれば、品種について語りたい人もいるだろう。ものの見方なんて人の数だけある。
「ここを知ってほしい!」という部分を自分で見つけ、その魅力を言葉で描いていく。
「カメラ」をイメージしよう。
あなたは今、カメラを持っている。そしてレンズを覗き込む。どこを写していくか。
それは自分で選べる。
全部なんてどうがんばったって伝えられない。つまりそれは、自分が見たいもの、伝えたいことを自由に切り取っていいということである。何をどう描くかを決めるのはあなたの特権だ。
近くにズームして被写体を撮る「寄り」と、遠くから景色を撮る「引き」。
書く時もこの2つの目線で書き分けることが基本になる。