マスクを着用したまま
コミュニケーション力を高める方法
この演習には、全員がマスクを着用したまま参加する。マスクを着用したまま自撮りロールプレイングを行い、自分でビデオの動画と音声を確認して修正する演習を繰り返し、表現力を向上させていく。反復演習により、2時間程度で、マスクを着用していない時と遜色のない表現力を発揮できるようになる。
具体的に何を演習するのかといえば、声量を高める呼吸法、フレーズにメリハリをつけるアクセントの付け方、アイコンタクトの秒数と外す方向のコントロール、目の動きと身ぶり手ぶりによる表現力の発揮、そして、その相手に応じた、モチベーションを高める言葉がけをする手法だ。
ちなみに、マスクを着用しないで話をする場合には、1メートル離れた距離で計測した通常の声量が60デシベルだった人が、マスクを着用して同じように話をしてもらうと、40デシベルになる。40デシベルというのは、マスクを着用しない場合のささやき声と同程度だ。これでは、相手に聞き返されても無理はない。あるいは、相手はよく聞き取れていないまま、物事が進んでしまうということになりかねない。
2時間程度の演習で、マスクをしたままでも60デシベル程度で話せるようになり、加えて顔の上半分や身ぶり手ぶり、話術で、相手を引き付けることができるようになる。
それだけではない。マスク着用での表現力を高めた人は、マスクをはずした場合の表現力も格段に高まっている。それを実感すると、必要でない場合は、マスクを外してコミュニケーションをすることに積極的になるという効果もある。
マスクを着用した場合でも表現力を高めようという行動は、相手を巻き込む意識を高めるのだ。マスクを着用せざるを得ない時でも、着用しなくてもよい時でも、どんな状況にあっても、国民の相互不理解と摩擦レベルを極小化していかなければならない。