サッカーをやっていたら
突然ラグビーになる時代

 ここまで言っても、「でも、ずっとポルトガルにいるし、今さら別の土地に行くのは面倒くさいなあ」という人は、ポルトガルという国がなくなる可能性も考えたほうがいい。今は「サッカーをやっていたら、ある日突然ラグビーになる時代」なのだ。

「今、自分が立っている場所、住んでいる国がなくなるかもしれない」という心構えでいなければ、激動の令和はサバイブできない。盤石と思われていた大企業が一気に凋落した例は、台湾の鴻海精密工業に買収されたシャープや、メモリ事業を切り離した東芝の例を挙げるまでもなく、たくさんある。

 そもそも、誰もが大海に漕ぎ出す権利が与えられている時代に、「船で出るのは禁止」と言っている国(企業)にあえて住み続けている(居続けている)クセに、「うちの国、船出してくれないんすよ」と愚痴三昧というのが情けない。

 坂本龍馬に憧れて「幕末っていいよなぁ」と遠い目でつぶやいている人がたまにいる。でも、GAFAみたいな黒船も現に来航どころか上陸しちゃっているし、テクノロジーと国際情勢があらゆる変革を要請している。つまり、今は開国待ったなしの“ほぼ幕末”。

 だったら、さっさと志士になっちゃってください。志士になった上で、切迫した目をしながら「いい時代だよなぁ」とぼくはつぶやきたいし、つぶやく人を応援したい。

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