インテリアも同様だ。フィットは居住性に加えて、視界性能を高める細いAピラーや突起をなくしたインパネにより、視覚的にも広さを演出。アップライトなドライビングポジションはある意味ミニバンに近い。一方、ヤリスは十分な視界性能を確保したうえでコクピット感覚を重視。解放感よりも包まれ感を大切にしている。シートポジションは、低めで足を前に投げ出す設定。乗用車感覚は、フィット以上に強い。リアシート/ラゲッジスペースの広さとユーティリティはフィットの圧勝である。

 パワートレーンは両車とも通常ガソリンとハイブリッドを設定。フィットはガソリンが1.3リットル(98ps)、ハイブリッド(e:HEV)は1.5リットル(98ps)+2モーター(109ps)。ヤリスはガソリンが1リットル(69ps)と1.5リットル(120ps)、ハイブリッド(進化型THS ―II)は1.5リットル(91ps)+モーター(80ps、FF)と計3タイプ。

 ハイブリッドの出来栄えは、甲乙つけがたい。どちらも力強い走りで、いい意味でハイブリッドらしくない自然なフィーリングと、優れた実用燃費を実現した。ただし主に発電用に使用するエンジンが黒子に徹するフィットに対し、ヤリスはエンジンが意外と自己主張する。旧型とはキャラクターが完全に逆転していて面白い。

 ガソリンユニットは両車の個性が表れる。実用に徹しているフィットの1.3リットルに対し、ヤリスの1.5リットルは官能性も備えるうえに、6速MTの組み合わせも選べる。ヤリスのダイレクトCVTの制御は巧み。ルーズなCVTというイメージは過去の話になった。

フィットとヤリスは次世代コンパクトとして
世界をリードする実力の持ち主

 フットワークはどちらもドライバーの操作に対して忠実かつ自然に反応。コーナリング時のクルマの一連の動きにも連続性がある。しなやかな足さばきと、全方位で質の高い走りを実現しているのは、両車共通だ。違いは味付け。フィットは、穏やかな動きと高い直進安定性が持ち味。対してヤリスは、キビキビと軽快。ドライバーをワクワクさせる。このあたりも旧型とはキャラクターが逆転した。

 先進安全・運転支援はフィットのホンダセンシング、ヤリスのトヨタセーフティセンスともに最新型。どちらも実力は高い。異なるのはアダプティブクルーズコントロール(ACC)だ。フィットは停車保持まで行う全車速対応型、ヤリスは30km/h以下は未対応だ。

 フィットとヤリス、この2台は次世代コンパクトとして世界をリードする実力の持ち主である。

 ではどちらがお勧めか?