5「People are Wonderful」
いま仕事で経験を増やして、本や新聞でインプットを増やしましょう、という話をしてきましたが、実は最高のインプットは「人に会うこと」なんですよね。インスピレーションの宝庫なわけです。失敗したことやその背景など、いろいろ聞けますよね。なので、食事を最大限利用することをおすすめしています。特に晩御飯。マクドナルドに3年間いましたけど、本社のすぐ前にあったバス停から家の近くまで直通のバスが走ってましたが、3年間で3回しか乗らなかった。あとの日は誰かと必ず夕食を食べに行ってました。

「最高のインプットは人と会うこと」と足立さん

よく日本の会社では、部署の周りのメンバーと「お昼、行こうか」と毎日のように同じ人たちとランチを食べに行きますが、これは社内コミュニケーションには役立つかもしれませんが、「インプット」という観点では意味ないですね。僕はお昼ご飯は、社内でも普段会わない人を誘って行くようにしてました。「お昼ご飯を食べましょう」と誘って断られたら、あなたは相当嫌われてます(笑)。

僕は、人と会うことを仕事より優先しています。というのも、仕事は期間限定ですけど、友達は一生、だからです。僕は大切な人に会うほうが、仕事より重要だと思っています。

それから、「(人と出会うには)どんな会に行ったらいいですか」と聞かれるのですが、催し物は自分で主催するのがいいと思います。なかなか自分が会いたいような人たちが来てる会はないです。自分が集めたい人を集めて、やりたい場所でできます。ちなみにP&Gの同窓会の幹事は21年やっています。自分で幹事をやると、自分が都合がいい日に、自分が会いたいような人を呼んで、自分が僕が恩を売りたい店で、会をやればいいわけです。すごいいろんなメリットがありますよね。
来月も「En(えん)」という200人ぐらいのネットワーキングパーティーをやります。マーケティング系とITファイナンス系と音楽系を一緒に集めます。ポイントは、「会いたい人がいるなら、会う機会を自分でつくればいい」ということです。

6「You are NOT alone」
何事をするにも、一人では何もできません。みんなの助けが必要です。ロジックでは人は動いてくれません。動いてくれても90%ぐらいです。ただ、「こいつのためにやってやるか」と感情が動くと、120%ぐらい動いてくれます。僕はいろいろな会社に「外様」で入っていきますから、最初は「何様だ」と疎ましがられるんですけど、まず仕事外の関係をつくるのが大事です。テニスでも麻雀でもハイキングでもいいんです。仲間になれば、「こいつが言うなら、やってみるか」と思ってもらえます。

その方法はいくつかあって、基本は「GIVE GIVE GIVE」です。何か頼まれたらやってあげる。子供の頃おばあちゃんに、「人間関係は引き出しだ」と言われたのが原点です。引き出しは、まず何か入れないと、出せないでしょ。あちこちに、いろいろ入れる。返ってこなくても、それでもいい。でも、そういうことが蓄積していくと、これは!というときに動いてくれます。いわゆる「Pay Forward」も同様の考え方ですよね。

それから「笑い」はすごく大事で、できる人はスピーチでもバンバン笑いをとるんです。グローバルのリーダーは、笑いを取るのがすごくうまい。笑いをとるスキルは学んで練習したほうがいいと思います。

ちなみに、お土産は上司になんて買わなくてよくて、買うならサポートスタッフに買ってあげてください。大きな会社だと、秘書とか経理の人が味方になってくれると、すごく助けてくれます。

それから「情熱」っていうのも、グローバル共通です。「Passion」がスローガンに入ってるグローバル企業が多いことから分かる通り、世界共通言語なんですよね。ただ情熱は「まき散らす」ものです。「内に秘めたる情熱」とか、まったく必要ありません。仕事なので頑張るのは当たり前なんだけど、「頑張る人を助けたい」と思うのも世界共通だからです。

「GNN(義理・人情・浪花節」」も大事です。これもグローバルで同じです。何かしてもらえたら、サンキューカードを送る、とか。仕事の評価や意思決定に感情を入れたらいけませんが、人間関係は感情なんです。意外と多くの人ができていないので、やったほうがいいです。

次に、部下と仲良くしすぎないこともオススメします。私は直レポートの部下とは、1対1で飲みに行くことはありません。仲良くなりすぎると、仕事で厳しい評価をしたり、厳しいフィードバックをできなくなります。会社を辞めてから友達になることはありますが、在職中は直接の上司や部下とは飲みに行きません。(元ゼネラルエレクトリックCEOの)ジャック・ウェルチも著書で同じこと言ってますね。

なぜ「NOT alone」とつけたか。
管理職の一番のミッションは、自分がいなくても回る組織をつくることなんです。「組織」がないと、いつまでたっても自分個人でまわさないといけない。自分が辞めたら崩壊します。いかに部下や仲間を強くするかということに、仕事の2割、週5日あったら1日はそれに使うようにしましょう。

「組織」というのは社内の上司・部下だけでなく、もっと広い意味でとらえてください。マーケティング職であれば、自分の所属する社内のチームだけじゃなく、外部パートナーやエージェンシー、サプライヤーさんも「組織」であって、彼らのモチベーションやスキルを上げないと、自分たちのパフォーマンスも上がりません。