減量後の維持には強い意志が必要
しかし、どの食事法を実践していても、1年後には、全体的に対象者の体重は再び増加し、心血管の健康に対するベネフィットは消失していた。ただ、地中海食についてのみ、脂質値のわずかな改善が引き続き認められたとしている。
こうした結果を受けてGuyatt氏らは、「どの食事法を選んでも、初めのうちは体重が減り、血圧値や脂質値が低下する。減量後の体重を維持できれば、心筋梗塞や脳卒中のような心血管疾患リスクも低下する」と説明している。ただし、同氏は、実際にそれを達成するのが容易ではないことも認めている。「減量後の体重を維持するには、かなり強い意志が必要だ。維持できる人もいるが、一般的には極めて難しい。残念ながら、特効薬はないのだ」と話している。
今回のGuyatt氏らの報告を受けて、この研究には関与していない米ニューヨーク大学ランゴン・ヘルスの栄養士であるSamantha Heller氏は、「家庭で調理した植物性食品の摂取を増やし、加工食品の摂取を減らすことは、慢性疾患リスクの低下や体重管理、活力の増進につながる」と説明。その上で、「ファストフードやジャンクフード、調理済み食品を摂取し続けることは健康に悪いという事実に向き合う必要がある」と指摘している。
ただし、Heller氏は、健康的な食品も含めた全ての食べ物が、体重増加の原因となり得ることを強調し、食べる量や身体活動の重要性にも留意すべきとの見解を示している。(HealthDay News 2020年4月2日)
Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.