(1)スローペースの前提で準備

 対面の会議に比べて、議事の進行スピードは3分の2程度です。オンラインでの研修・会議では、色々なところで時間がかかります。参加者全員がスムーズに接続し、定時どおり開始するということは必ずしも保証されません。

 私の参加した会議では、会議中に参加者のご家族が電子レンジを使い、その瞬間、Wi-Fiに通信障害が出て接続が切れたこともありました。電波の状況により、音声や映像が乱れることもあります。そのたびに、聞き漏らした参加者に向けて発言を復唱しなければいけません。まだテレワーク環境が整っていない現状では、色々なアクシデントが起こることを念頭に置き、余裕を持った時間設定にしましょう。

(2)目線:カメラ目線で話す

 対面の会話では、聴き手の目と表情を見ることが必須です。それには2つの効果があると言われています。1つは、聴き手が「自分に注意を払ってくれている」と感じ、聴く意欲が保たれること。もう1つは、話し手が聴き手の表情を観察することで、どんな風に受け止められているかを観察できることです。

 一方、オンラインでの会話では、目と表情の両方を同時に見ることはできません。相手の表情を見ているとき、すなわちPCの「画面」を見ている時はカメラから目線が外れてしまいます。聴き手にとっては、話し手がこちらを見ていない状態になってしまうのです。

 現在、オンラインでのプレゼン研修も実施していますが、多くの方が「画面を見る」ことはできるものの、カメラを見ることができていません。それではいまひとつ伝わり方が弱い。話している時間のうち50%以上はカメラ(=参加者の目)を見て話すようにしてみてください。

(3)発音:ゆっくり、丁寧に!

 通信環境が悪い場合には、音質が想像以上に劣化し、伝わりにくくなる場合がよくあります。ニュースキャスターと同じくらいの速度(400字/分程度)で話すこと、アイウエオの母音を意識して口を大きく開けて発音することを意識しましょう。