逆に失敗については、「私のせいだ」と思ってしまいます。これは男性とは対照的です。すべての男性がそういうわけではないでしょうが、男性は仕事でうまくいかなかったとき、それを時期が悪かったとか、予算が足りなかったなど要因を外に求めがちです。それが悪いというのではなく、むしろ失敗に対して必要以上に自分を責めることはないので、失敗に対して冷静に対処できますし、精神的なダメージも低かったりします。
対して女性は、失敗したのは自分のせいで、まわりに対しては「がっかりさせてしまった」という自責の念を抱くと言われています。自分が至らなかったために期待に応えられなかった、お客様に迷惑をかけてしまった。こうして自分自身を責め、ますます自信を喪失します。そうなると、「また失敗したくない」と自分に蓋をして、次のチャレンジを断ってしまうのです。
上司である皆さんには、このような女性の複雑な感情をぜひご理解いただきたいと思います。そして「成功はあなたの努力によるものだ」と自信を持たせるコミュニケーションを図ったり、「期待はしているけれどプレッシャーに感じないで欲しい、これからもいつでもサポートするから」と、フォローの姿勢を見せたりすることで、彼女たちの背中をぜひ押していただきたいと思います。
本音を隠す、嘘をつく、イヤな出来事を絶対忘れない。
全部得意です
女は何を考えているかわからない! となるエピソードをもう1つ。
女性社員から「避けられてる?」と気づいたけれど、理由がさっぱりわからない。「オレ何かした?」と悩まれてしまうのではないでしょうか。
もしかすると、その理由の1つとして、「昔の出来事」が関係しているかもしれません。なぜなら、女性は嫌だと感じた出来事を決して忘れず、いつまでも昨日のことのように覚えていることが多いのです。
たとえば、真剣に仕事をしている女性のデスクに置いてあったスナック菓子、それに断りもなく手を突っ込み、書類の上にカスが落ちているのにも気づかず、ムシャムシャと食べてしまった上司。やったほうにとっては覚えてもいないことでしょうが、女性にとってその上司は、不快な記憶と共に、生理的に受け容れがたい存在になってしまいました。
「今はコミュニケーションがうまくいっているから大丈夫」という過信も禁物です。なぜなら、うまくいっているように見えるのは、女性のほうが(空気を読んで)上司に合わせてコミュニケーションを取っているという可能性もあるからです。女性は本音をなかなか見せないばかりか、嘘をつくのも得意なので、表情は笑顔でも、内心は笑っていないということもあり得ます。