スマートフォン、およびタブレット端末まで含めたいわゆるスマートデバイスで、営業支援(Sales Force Automation:SFA)が変わる。こうした端末を柔軟に活用することで、営業日報の入力負荷が軽減され、SFA側からの情報配信も容易になる。詳細な日報が確実に入力されれば、SFA機能はさらに強化され、「売り上げ増につながるSFA」を実践できる。
食品メーカーのA社は、スマートフォンを営業マンに配り、営業日報を社外でも入力・送信できる体制を整えた。その結果、日報を入力するためだけに帰社する必要がなくなり、営業マンは直行直帰で効率よく動けるようになった。スケジュール管理、メール、顧客情報検索など、これまで社内のパソコンで行っていた業務の7割程度が、スマートフォンで実行できるようになり、業務全体の効率化にも大いに役立っている。
オフィス機器販売のB社では、クラウド型デスクトップサービスを契約。営業日報や見積書作成のファイルそのものを、社内サーバではなく、クラウドサービス上に置く形に変えた。日報入力時は、社内パソコンでも、社外スマートフォンでも、クラウドサービスへアクセスする。「日報入力」「見積書入力」などのメニューを選べば、スマートフォンでも、今までと同じように入力作業ができる。接続を切るとスマートフォンにもパソコンにもデータが残らないので、セキュリティ面でも安心だ。
スマホ/スマデバで
営業日報の入力負荷を軽減
「ものを売りにくい時代」の営業マンを支援するために、パソコンやインターネットなどの情報技術を駆使したSFA(Sales Force Automation)の導入が進んできた。SFAとは、営業日報の入力情報を基に、商談の進捗管理、顧客管理などの機能を発揮する営業支援システムである。
見込み客リストアップ、在庫引き当てなど高度な機能を持つSFAもあるが、情報の基本は、営業マンが入力する日報である。日報が入力されないと、商談管理も、情報共有も有効に機能しない。しかし、営業マン全員が詳細な情報を毎日入力するのは大変な負担だ。営業日報入力のためだけに、社へ戻り、残業する営業マンもいる。SFA導入企業の多くは、この「日報入力の徹底」で苦労している。
スマートフォン、およびタブレット端末まで含めたいわゆるスマートデバイスは、この問題を解決する力強い切り札だ。
こうした端末は、タップ、フリック、ピンチイン/ピンチアウトといった画面操作を軽快に行えて、文字入力もしやすい。わざわざ帰社しなくても、出先や電車の移動時間で日報を入力できる。今会ってきた人のことをその場で入力するのだから、詳細情報の入力も苦にならないし、作業時間などの情報も正確になる。