アイデアに正解も不正解もありません。何が成功するかは、誰にもわからないからです。とりあえずダメもとでアイデアをたくさん出してみることが肝心なのです。
アウトプットに「知」(知識の量や判断力)「仁」(優しさや真心)「勇」(勇気)の三要素があるとするなら、最も重要なのは「勇」。知識よりも、とにかく勇気です。

 私は学生に4人1組になってもらい、ある課題について解決方法を出し続けるという課題を与えることがあります。1人が発言したら、次の人、また次の人……という具合に、延々と何巡も続けてもらいます。パスは許されず、その代わり、どんなにくだらない発言でもよしとします。

 それを何度も繰り返していると、どうしようもなくくだらないアイデアも出てきます。それでも出し続けていると、みんな臆せず、くだらないアイデアでも堂々と口にするようになってきます。

 そんな中から、ユニークかつ画期的なアイデアがふと飛び出したりするのです。その瞬間、思わず学生たちが「おー!」と拍手するような感動の場面も生まれます。

 アウトプットは、質を気にしすぎると口に出す勇気が萎えてしまいます。特に日本人は「恥をかきたくない」というメンタリティが働きやすいので、つい可もなく不可もない“沈黙”を選びがちです。

 しかし、こうした沈黙は自分を成長させる機会を自ら放棄しているともいえます。とても、もったいないことなのです。