近年、スタートアップの世界で「テイクレート」という用語を頻繁に見聞きするようになりました。今回はこのテイクレートの意味と、その高低の意味合いについて考えます。

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プラットフォームビジネスの興隆と共に注目される「テイクレート」

朝倉祐介(シニフィアン共同代表。以下、朝倉):スタートアップ関連でよく見聞きする用語の中には、知っているようでよく理解していないものが少なくありません。今回は、昨今よく耳にする「テイクレート」について深堀りしてみようと思います。

小林賢治(シニフィアン共同代表。以下、小林):「テイクレート」という単語は、近年特に頻繁に耳にするようになりましたね。数年前までは、Eコマース業界では見聞きすることがありましたが、現在のようにここまで頻繁に耳にすることはなかったように思います。

朝倉:そうかもしれませんね。まず、この「テイクレート」という用語の辞書的な意味をおさらいしましょう。

村上誠典(シニフィアン共同代表。以下、村上):テイクレートとは、取扱高のうち何パーセントを売上にできているかを表す数値、というのが一般的な解釈だと思います。売上高がネット計上の会社であれば、取扱高とテイクレートをかけ算することで、売上高が算出できます。例えば、取扱高が1000億円でテイクレートが10%だとすると、売上高は100億円ですね。

朝倉:プラットフォームビジネスの場合、わかりやすく言うと、手数料ですかね?

小林:そうですね。プラットフォームビジネスを展開している会社が増えていく中で、GMV(Gross Merchandize Volume。流通総額)に対して、何パーセントをプラットフォーム側が売上として得られるのかの、割合を表します。

朝倉:ともするとテイクレートは、粗利率と混同されがちな概念ですね。

小林:粗利とは、PLで言うところの売上総利益のことですね。粗利率は、売上高に対する粗利益の割合です。例えばソフトウェア開発会社であれば、エンジニアの開発工数やサーバー費用などを原価として計上することが多いでしょう。

売上からこうした原価を引き算した粗利は、プラットフォームが何パーセントの売上を受け取るのかという話ではありません。粗利率は、売上から実際にかかった費用を引いた額を売上で割った数値であり、テイクレートとは異なります。

朝倉:「取扱高×テイクレート=ネット売上」ですが、このネット売上から先ほどの例に出た開発にかかった工数やサーバー費用といった、開発や製造にかかった原価を引いた数値が粗利ということですね。

小林:会社の会計基準によっては、両者を同一のものと整理しているケースもあるかもしれませんが、概念としては分けて考えるべきものです。