「テイクレート」はプラットフォーム価値の指標

小林:例えば、ラクスルはまさにプラットフォーム型ビジネスを展開している代表的企業の1つだと思いますが、彼らのビジネスにおいてテイクレートは非常に重要です。

「テイクレートを固定化するのではなく、自社がサプライヤーに提供する価値によって変動させる」ということが、同社の大きな特徴です。

村上:そうですね。「いくらを取り分にするか」によってプラットフォームの価値は大きく変わります。例えば、1000円のものを売ったときに、テイクレートが2%のプラットフォームと20%のプラットフォームでは、出品者側は当然2%のほうがいいわけですよね。

にもかかわらず、「20%を払ってでもこのプラットフォームを利用したい」と思うとしたら、それはつまりプラットフォームの競争力や付加価値が非常に高い状態だということでしょう。当たり前ですが、会社側はテイクレートを決められます。絶対に固定化しなければならない、という性質のものでもないので、状況に応じて率を変動することも出来るわけです。

テイクレートが時系列でどう変動しているのかによって、その会社の競争力が継続的に高まっているのかどうかを見ることもできます。

小林:テイクレートの時系列による変動は重要なポイントですよね。競争力が低かったり、あるいはそもそも競争が激しい市場では、下げ圧力が強くなるものです。

一方で、競争力や付加価値が高い会社であれば、顧客に対する交渉力が増し、テイクレートを上昇させることができるのでしょう。

朝倉:出品者やサードパーティーに対して提供している付加価値がテイクレートとして顕在化しているということですね。