上下階の騒音トラブル、ゴミ置き場の清掃問題、大雨による浸水、欠陥工事、管理費等の値上げ、大地震の被害……。分譲マンションに住む人にとって、悩みや不安はつきません。
さらに、新型コロナウイルスによる外出自粛で在宅勤務になり住環境の重要性に気づいた人も多いことでしょう。
『マンション管理はこうして見直しなさい』では、「うちのマンションは大丈夫だろうか?」と感じている多くの人に向けて、マンション管理のプロである著者が、イライラや不安、疑問などの問題をわかりやすく整理して、解説。
今回は、「マンションの寿命」について。マンションの構造をつくる鉄筋コンクリートそのものの寿命は60年ほど。給排水管など設備関係や間取り、管理組合の財務も関係します。

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建物自体の寿命は60年くらい

 マンションの寿命については、さまざまな要素が関係します。

 まずハード面で重要なのが、鉄筋コンクリートの物理的な寿命です。鉄筋コンクリートは、引っ張りに強い鉄筋と圧縮に強いコンクリートを組み合わせたもので、また強アルカリ性のコンクリートが鉄筋のサビを防ぐことで耐久性を発揮します。

 しかし、コンクリートは大気中の二酸化炭素などで表面から次第に中性化し、それが鉄筋の部分にまで到達すると、鉄筋がサビて周囲のコンクリートを破壊。建物全体の強度が低下し、マンションの物理的な寿命が尽きます。

 また、ハード面では給排水管など設備類も影響します。給排水管はメンテナンスしていても概ね30~40年程度で交換が必要になり、交換しやすいかどうかでコストなどが大きく変わります。

 ハード面では住戸の広さや間取り、設備機器も関係します。かつて昭和20年代に登場した公団アパートは40㎡台の広さながら、DK形式の間取りやステンレスの流しがファミリー層の憧れの的でしたが、いまでは通用しないでしょう。