コロナショックをものともせず、ソニーが攻め続けている。来春63年ぶりに商号を変更し、ソニーグループとなる。また金融持ち株会社を完全子会社化する。業績堅調なソニーは電機業界で勝ち続けられるのか。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

新生ソニーへ3つの組織変更
すでに現れていた予兆

ソニー本社
Photo by Masataka Tsuchimoto

「ファウンダーの盛田からの学びの一つに、『長期視点に基づく経営』があります。新型コロナウイルスが世界を変えた今、私は改めてその重要性を感じています」

 5月19日に開かれた、ソニーの吉田憲一郎社長兼CEO(最高経営責任者)による経営方針説明会。冒頭に創業者の一人、盛田昭夫氏を持ち出す辺りが、吉田社長の生真面目さ、あるいは強かさの表れなのだろう。

 吉田社長が長期視点に基づく経営感覚から導いたという、この日のビッグニュースは3点あった。

 1点目に、グループ本社機能とエレクトロニクス(家電)事業の間接機能が混在していた「ソニー」を再定義。ソニーの社名を2021年4月から「ソニーグループ」に変更し、ソニーグループは本社機能に特化した組織にする。1946年創業の東京通信工業を58年にソニーと改称して以来、実に63年ぶりの社名変更となる。

 2点目に、ソニーの商号は祖業のエレキ事業が継承する。吉田社長は「創業以来、ソニーというブランドを築き上げてきた主役」「ソニーの商号を受け継ぎ、価値向上を目指す」とエレキ事業を持ち上げて説明した。

 3点目として金融持ち株会社の「ソニーフィナンシャルホールディングス(HD)」(持ち株比率65%)を完全子会社化する。吉田社長はコロナ危機で地政学リスクが高まる中、日本に安定した事業基盤を持つ会社の取り込みは、「経営の安定につながる」と説明。少数株主に帰属する利益として流出していた配当を取り込み、さらに税務上のメリットもあり、連結で年400~500億円の純利益増が見込めるという。

 すでに組織変更の予兆はあった。